芸人を本職としてちゃんと生活している人にこんなことを言うのは失礼なんだろうな、と思いつつ。
この人、面白い文章書くなぁ。
この頃の芸人さんはエピソードトークが上手くないと大変みたいですが、それでも文章に起こして面白い、というのはちょっと毛色が違うと思うので。
しかもただ可笑しいのではなくて、何だか物悲しい。木から青い実が落ちたことに、自分と見知らぬ女性と、世界で二人だけが気づいたんだと思った瞬間、その女性を追いかけて思わず声をかけてしまって、でもしどろもどろになって、ってエピソードなんかは、もう一編の小説のよう。中学から一緒の、えらく自信家の同級生とコンビを組んで芸人になって、でも別れて、自分は彼に認めて欲しいばかりだったと気付いたエッセイも、十分小説になると思う。
小さい頃住んでいた家の話、お祖父さんの話、双子の姪っ子さんの話、黒のコンバースが一回り大きくなって帰ってきた話、付き合っていた彼女が待っていてくれなかった話。どれも滑稽で、でも哀しい。
巻末の対談での、中村さんのピースのコントについての感想は目から鱗でしたね。ああ、確かに、途中で「あれ、本当はそうだったの?」と世界がひっくり返る瞬間があるなぁ。で、ひっくり返って優しい方に傾くから、何だか感動すらしてしまう。自然に拍手が巻き起こるような。
紹介されている本は読んだことが無いものばかりだったのですが、でもエッセイ自体が楽しかった。
しかし又吉さん、35歳でどうなるんでしょう。ちょっと注目してよう(笑)。
この人、面白い文章書くなぁ。
この頃の芸人さんはエピソードトークが上手くないと大変みたいですが、それでも文章に起こして面白い、というのはちょっと毛色が違うと思うので。
しかもただ可笑しいのではなくて、何だか物悲しい。木から青い実が落ちたことに、自分と見知らぬ女性と、世界で二人だけが気づいたんだと思った瞬間、その女性を追いかけて思わず声をかけてしまって、でもしどろもどろになって、ってエピソードなんかは、もう一編の小説のよう。中学から一緒の、えらく自信家の同級生とコンビを組んで芸人になって、でも別れて、自分は彼に認めて欲しいばかりだったと気付いたエッセイも、十分小説になると思う。
小さい頃住んでいた家の話、お祖父さんの話、双子の姪っ子さんの話、黒のコンバースが一回り大きくなって帰ってきた話、付き合っていた彼女が待っていてくれなかった話。どれも滑稽で、でも哀しい。
巻末の対談での、中村さんのピースのコントについての感想は目から鱗でしたね。ああ、確かに、途中で「あれ、本当はそうだったの?」と世界がひっくり返る瞬間があるなぁ。で、ひっくり返って優しい方に傾くから、何だか感動すらしてしまう。自然に拍手が巻き起こるような。
紹介されている本は読んだことが無いものばかりだったのですが、でもエッセイ自体が楽しかった。
しかし又吉さん、35歳でどうなるんでしょう。ちょっと注目してよう(笑)。