読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

四畳半タイムマシンブルース 森見登美彦著/上田誠 原案 角川書店 2020年

炎熱地獄と化した真夏の京都で、学生アパートに唯一のエアコンが動かなくなった。妖怪のごとき悪友・小津が昨夜リモコンをコーラで水没させたのだ。残りの夏をどうやって過ごせというのか? 「私」がひそかに想いを寄せるクールビューティ・明石さん(映画研究会のポンコツ映画製作者)と対策を協議しているとき、なんともモッサリした風貌の男子学生が現れた。なんと彼は25年後の未来からタイムマシンに乗ってやってきたという。そのとき「私」に天才的なひらめきが訪れた。このタイムマシンで昨日に戻って、壊れる前のリモコンを持ってくればいい! 小津たちが昨日の世界を勝手気ままに改変するのを目の当たりにした「私」は、世界消滅の危機を予感する。
四畳半神話大系』と『サマータイムマシン・ブルース』が悪魔合体
小説家と劇作家の熱いコラボレーションが実現! (帯文に付け足しました)

 おおお、森見さん原点回帰!
 そう、こういう頭でっかちで思春期こじらせてて青春無駄遣いしてる大学生を、元々森見さん書いてたんだよなぁ!と懐かしくなってしまいましたよ。明石さんの後をつけている自分を改めて自分で見て悶絶するなんて、どんな罰ゲームなんだ!(笑)
 とか言いながら、森見さんがこんなにがっつりと「SF」を書いたのは珍しいんじゃないかなぁ、と思ったり。怪奇や幻想、不思議ではなく。これが「原案 上田誠」ということでしょうか。
 お馴染みのメンバーや小道具がただ出てくるだけという訳ではなく、成長の跡というのかしら、理想の美少女だった筈の明石さんが変人になってるのが感慨深い(←おい;)。いや、相変わらずチャーミングですとも! 中村佑介さんの装画もろとも!
 あと、何でもないことなんですが、栞紐が太いことが個人的に気になりました。…何か意図があるのかしら; いや、可愛いんですけどね。