読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ソロモンの偽証 6 第Ⅲ部 法廷 下巻  宮部みゆき著 新潮文庫 2014年

 この間読んだ『宮部みゆき全一冊』で、「ボーナストラック」なる書き下ろしが収録されていると知って借りた一冊。勿論、中の書き下ろし中編「負の方程式」が目的。
 ネタばれになるかな、すみません;

 夏休み、災害訓練の一環として学校に宿泊する<体験キャンプ>。自由参加のこの行事で、一人の生徒が無断で自宅に帰り、その理由が波紋を呼び起こした。曰く、見廻りに来た火野教諭に「誰か犠牲になる」事態を設定され、生徒間の話し合いで自分がそれに選ばれた、それに耐えられず家に帰った。
 ――教諭は当然糾弾されたが、彼はその出来事そのものを否定する。そんなことはなかった、生徒たちが口裏を合わせて嘘をついているのだ、と。
 平行線を辿る中、生徒の一人の親が私立探偵を雇い、火野教諭側は弁護士を立てる。かくして、杉村三郎と藤野涼子は邂逅した。
 嘘をついているのはどちらか、そしてその理由は。「中学三年生」の行動力に奇妙なほど確信を持つ藤野涼子と共に周辺を調べるうち、リーダー格の生徒の境遇や、火野教諭の普段からの問題行動も浮かび上がってくる。果たして真相は。…

 やっぱり面白かった(笑)。問題教諭には腹が立ちましたが(今でもこんな教師いるのかなぁ)、生徒と同じ土俵に立って真っ当に怒る藤野さん、根っこが変わってないのはありありで、嬉しいやら懐かしいやら。まぁ、大きくなったわねぇ(笑)。
 で、どうやら神原君と結婚してるし! 子供さんもいる様子、さぞかしいい子に育ってるんだろうなぁ。思わず本編の裁判場面も読み直してしまいましたよ。
 宮部さんの作品でこういうコラボ企画と言うかクロスオーバーは珍しい気がしました。たまにはいいですよね、こういうファンサービスも。また藤野さん、ひょっこり出してくれないかな、象牙の塔の旦那さんも。
 そうそう、栞紐が真っ赤でちょっとびっくり。新潮文庫というと栞紐茶色のイメージがあったんですが、こういうデザイン変化も始めたのね~。