読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

倒れるときは前のめり 有川浩著 角川書店 2016年

 『図書館戦争』『レインツリーの国』『植物図鑑』ほか映像化続々の人気作家・初のエッセイ集!
 日々の生きるつれづれ、創作の裏側、大好きな本や映画、敬愛する人びと、ふるさと高知のことなど、デビュー書籍刊行前から現在までに綴った90本超に、それぞれ振り返りのコメントを書き下ろし。
 現在入手困難な「ほっと文庫」に収録された短編「ゆず、香る」と、片想いがテーマの恋愛掌編「彼の本棚」の、小説2編も特別収録。
 当代一の人気作家のエッセンスがここに!                     (出版社HPより)


 有川さんのエッセイ集。勢いのある文章、有川さん句読点の使い方上手いよなぁ。
 発表された媒体が違うものを一堂に集めたせいか、同じ趣旨のことが何度か繰り返し出てくる一面もあり。有川さんの主義主張が展開されます。「木綿のハンカチーフ」の解釈は目から鱗!でした。
 TV東京(こちらではTV大阪ですが)が自粛からアニメ放送を始めてバッシングされた、というのは初めて知りました。…いや、TV東京だよ? 独特の路線を行ってる局じゃない、「流石だねぇ」って受け入れようよ(笑)。
 阪神淡路大震災の時、けろりとしていた大阪を見て安心感を抱いた、という意見にはちょっと頷けませんでした。有川さんはもしかして早々に大阪に出たのかな。二週間くらいかな、全壊した家に住んで、神戸の職場まで通って、毎日垂れ下がった電線や盛り上がった道路や瓦礫の山ばかり見ていた私は、その後大阪に出る機会を得て、それこそ何の被害も受けていない活気に満ちた繁華街を見て、「私らのことなんて他人事じゃん!」とショックを受けました。イチゴ大福を売ってる現実に、あまりにもな差を感じて。
 ただ、行き過ぎた自粛は…という意見には賛成します。復興は人それぞれだから。東日本大震災の時、少年ジャンプが無料でウェブ配信をした、というニュースにはお見事、と思いました。そう、阪神淡路のときは全然雑誌の類が届かなかった。後々、その時の号では漫画家さんたちが色々応援メッセージを書いていた、という話は聞きましたが、それ、被災地に届いてねーよ、でしたもの。

 有川さんお気に入りの小説の紹介もあり、私も読んでる本もあったのですが、でも捉え方が違う! 私『だれも知らない小さな国』や『大草原の小さな家』シリーズを恋愛小説として見たことはなかった! 『だれも知らない~』は出来上がっていく秘密基地にわくわくしたし、『大草原~』のシリーズは、何といっても食べ物と衣服の描写ですよ! …三つ子の魂百までとはよく言ったものだ(苦笑;)。

 原作小説の映像化について、経済的に事業展開として見る、という視点は新鮮でした。でもね、この頃は減ったかもしれないけど、一時期本当に酷かったのよ、大人の事情で台無しにされてしまう作品が多くて。だから映像化反対の人の気持ちも分かるなぁ。何しろ原作知らずに映像だけ見た人が「原作もこんなものなんだ」と思ってしまうのが悔しくて。
 職場の後輩の女の子は、二宮くん主演の映画『大奥』を「人生の中で見た三大がっかり映画に入る」と宣い、私が「漫画貸すよ、原作は面白いよ」と言っても「いや、いいです」と読んでくれなかったし、かなり前ですが恩田陸著『ネバーランド』がTVドラマ化された時には、「頭のいい」筈の少年 依田光浩の、いかにもアタマ悪そーな喋り方に本気でむかついたし、高島礼子さんのキャスティングにも「…ならいいじゃん!」とあまりの原作への理解の無さに唖然としたし(ぜぇぜぇ;)。
 よしながふみさんや羽海野チカさんが対談で「選んでくれた嬉しさがある」と仰ってましたが、その意見の方がすっと入って来る気がしました。

 フィギュアスケートの申雪・趙宏博ペアの登場は、「リアル『銀のロマンチック…わはは』(川原泉著)だ…!」と当時興奮しましたっけ。
 そうそう、うちの母はイタドリは「塩をつけてその場でおやつとして食べてた」そうです。