読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

神々のプロムナード 鈴木光司著 講談社 2003年

 少しネタバレかもしれません;
 村上史郎に親友松岡の妻・深雪から電話が入る。2ヶ月前から松岡が失踪しているとのこと。史郎はわずかな手がかりを元に、松岡の行方を探り始める。どうやら天地光輪会という新興宗教が関係しているらしい…。
 出だしちょっと期待したんですよ、このパターンは「リング」や「らせん」と似てるなぁと思って。以前の「こいつ、自分に酔ってるんちゃうん…?」って文章も随分引っ込んで、結構するする読めたし。何かでも、手がかりから導き出す結論がだんだん強引になって行った気がするのは私だけ?? 結局主人公も騙されてた訳だから仕方ないかもしれないけど、いきなり新興宗教の内紛だと推測する辺り、「何で??」とか思っちゃったよ。あとがきによると、雑誌連載開始直前にオウム事件があって、当初のストーリー展開にできなかったとのこと。う~ん、しかしなぁ…; 
 松岡の奥さん・深雪さんてのがまた不思議なヒトで。一歳児抱えて夫に失踪されて、生活に困るのはわかるけど、まず思うのが「史郎さん、私をもらってくれないかしら」。男を頼る自分の情けなさに気付いて職を見つけては来るんだけどそれが風俗。史郎と肉体関係できてから「こんな仕事に就いたことが、史郎さんにばれたらどうしよう」。
 ……なんじゃそりゃあ??
 まず役所に相談だろう、生活保護の申請しろよ!?
 この人、最後の最後に大化けするんだけど、すごく唐突だしなぁ。教祖さまの扱いも含めて、何か全体的に尻切れトンボな感じでした。
 あと、以前の行動とかの説明が何回もかぶさったりしてるんだよね。連載時はそれでいいんだろうけど、一冊にまとめた時には修正してほしかったです。