読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

戒名探偵 卒塔婆くん 高殿円著 角川書店 2018年

連作。…短編ではないかな。

 

のほほんと生きる金満寺の次男・春馬は金に汚く横暴な住職代行の兄に寺の無理難題をふっかけられがち。今日も今日とて、古い墓石の身元を探している。
手がかりは石に刻まれたたった数文字の戒名だけ!? しかし、春馬には同じ高校に通う『戒名探偵』――外場(そとば)薫という切り札があった。なぜか仏教に異様に詳しい彼は、この日も墓石の写真を見ただけですらすらと身元を言い当てるのだ。

有力檀家のルーツ探しに、仏教界びっくりドッキリイメージアップ大作戦!
謎が謎を呼ぶ、巨大コンテンツメーカー創始者の生前戒名を巡る骨肉の遺産争い……

知れば知るほど面白い仏教の世界の謎を、外場=卒塔婆くんが解き明かす!
  (出版社紹介文より)

 

 

 新聞の書評欄で紹介されていて、興味を持った一冊。

 なるほど、色々お勉強になりました(笑)。戒名のランクだけではなく、時代背景や墓石の流行り廃り、当時の慣習まで含めて故人を解き明かす。中国で宗教が廃れた訳も、そういえばそうだよなぁ、と納得しました。それが日本への寺社仏閣への観光とかに逆輸入になってるあたり、本末転倒だよなぁ。チベットとかへの敬意にはならないのかしら、まぁ政府の方針と民衆の気持ちは違うからなぁ;;

 最後のエピソードは少々重め、なのに私、読みながら「…これ作者、取材のためにファーストクラス乗ったのかなあ」とか思ってしまったことを告白致します(苦笑;)。だとしたら羨ましい(笑)。

 結局外場くんの背景については明らかになってないんですよね。これ、続き出るんだろうなぁ。登場人物が皆さんエキセントリックで、そのあたりはちょっと私は乗り切れなかったんですが、面白かったです。