読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ビブリア古書堂の事件手帖7~栞子さんと果てない舞台~ 三上延著 メディアワークス文庫 2017年

 ビブリアシリーズ、最終巻。
 ネタばれになるのかな、すみません;

 久我山真里の所蔵していた太宰治『晩年』が売り払われていた。ビブリア古書堂に現れた取引相手は吉原喜市と名乗り、栞子に法外な値段を吹っ掛ける。久我山尚大の最後の弟子だった彼は、どうやら栞子の母・智恵子とも因縁があるらしい。吉原はついでのように智恵子の実の父親の名をばらし、『人肉質入裁判』――『ヴェニスの商人』を置いて行った。
 翌日、入れ替わるように智恵子の母親・英子の再婚相手・水城禄郎の訪問があった。吉原に持って行かれたシェークスピアの最初の戯曲集ファースト・フォリオファクシミリ(複製本)を取り戻してほしい、と依頼された栞子は、それが出品された古書市に向かう。
 吉原の目をかいくぐって手に入れたファクシミリ。内容を見た栞子は驚く。それが現存が確認されたことのない、全く未知の編集内容のファースト・フォリオから複製されたものだったから。
 複製本は全部で三冊、それと原本をあわせて四冊。表紙の色をそれぞれ変えて作ったものを、久我山は後継ぎを智恵子に断られた腹いせに、ページをがちがちに糊付けして売り払ってしまったらしい。世界中を駆けずり回って手に入れた吉原は、今度はそれを振り市に出すという。中身が見られない状態で、それでも真贋を判断することはできるのか。吉原は智恵子にも、栞子にもオークションに参加するようそそのかす。
 ビブリア古書堂を担保にしてまで用意した大金を持って、栞子は振り市に参加する。その場には智恵子も姿を現し、吉原も様子を見に、そして勿論大輔も栞子に付き添っていた。…


 
 いや~、盛り上がりましたね~。ページを捲る手が止められない。
 ラストエピソードはシェークスピア、そりゃ智恵子さんも家飛び出して探し回るわ;
 狂言回しとして新キャラ登場、見事な悪役っぷりでした。で、大輔君大活躍! 本の重心に気が付いたり、智恵子さんの企みを見抜いたり、動揺する栞子さんの時間稼ぎにとっさの機転で奔走したり、資金作ったり、何て見事な女房役! 本当、時代は変わったよなあ、「相手の役に立ちたい」って健気に尽くすのは、一昔前ならヒロインの役回りだったもんなぁ。
 いやもう見事なハッピーエンド、面白かったです。
 …それにしても。歯磨きしながら本を読む、って私もやるんですが、あるあるじゃないんですか;