北領垂氷郷の郷長の次男坊 雪哉はぼんくらと名高い、武家にあるまじき性格。だが、何故か長男と三男からの評価は高い。
北領当主の親族の若者の暴虐っぷりを新年の祝賀の席で暴いたてみせた雪哉は、何の因果かその若者に代わり、日嗣の御子の側仕えとして宮中に入ることに。
日嗣の御子 若宮の奈月彦は、生まれつきの金烏(統治者)として、兄宮 長束を差し置いて世継ぎに選ばれていた。だがこちらも評判のうつけで、何人もの少年が「ついていけない」と側仕えを辞している。果たして、雪哉に言いつけられた仕事も、通常なら到底一人ではこなせない量だった。だが、慣例や外聞に捕らわれない雪哉は、なんとか作業をこなしてしまう。すっかり雪哉を気に入った若宮は、さらに雪哉を掛け金のカタに売り飛ばしたり、若宮の花嫁候補が住む桜花宮に突き飛ばしたり。挙句、雪哉に命じるには、
「お前、私の近習になりなさい」
近習――いずれ奈月彦が金烏になった時、側近として扱われる存在。とんでもない、ごめん被る、と即座に辞退する雪哉。だが、若宮は言う。自分には信頼できる部下がいない、お前は私を裏切らないだろう。
果たして、朝廷は若宮派と長束派に分かれていた。若宮は命まで狙われる始末、だがその事実まで信用されない、朝廷は動かない。
そんな折、長束の側近 敦房が若宮に近付いてきた。兄宮を支持する人々さえ穏健派と過激派に分かれている、自分は若宮を応援するので過激派から長束を守って欲しい。敦房の長束への忠誠に感心する若宮。だが数日後、飛び込んできたのは敦房が過激派から襲われ、瀕死の重傷を負ったというものだった。若宮たちは敦房の元に向かう。…
北領当主の親族の若者の暴虐っぷりを新年の祝賀の席で暴いたてみせた雪哉は、何の因果かその若者に代わり、日嗣の御子の側仕えとして宮中に入ることに。
日嗣の御子 若宮の奈月彦は、生まれつきの金烏(統治者)として、兄宮 長束を差し置いて世継ぎに選ばれていた。だがこちらも評判のうつけで、何人もの少年が「ついていけない」と側仕えを辞している。果たして、雪哉に言いつけられた仕事も、通常なら到底一人ではこなせない量だった。だが、慣例や外聞に捕らわれない雪哉は、なんとか作業をこなしてしまう。すっかり雪哉を気に入った若宮は、さらに雪哉を掛け金のカタに売り飛ばしたり、若宮の花嫁候補が住む桜花宮に突き飛ばしたり。挙句、雪哉に命じるには、
「お前、私の近習になりなさい」
近習――いずれ奈月彦が金烏になった時、側近として扱われる存在。とんでもない、ごめん被る、と即座に辞退する雪哉。だが、若宮は言う。自分には信頼できる部下がいない、お前は私を裏切らないだろう。
果たして、朝廷は若宮派と長束派に分かれていた。若宮は命まで狙われる始末、だがその事実まで信用されない、朝廷は動かない。
そんな折、長束の側近 敦房が若宮に近付いてきた。兄宮を支持する人々さえ穏健派と過激派に分かれている、自分は若宮を応援するので過激派から長束を守って欲しい。敦房の長束への忠誠に感心する若宮。だが数日後、飛び込んできたのは敦房が過激派から襲われ、瀕死の重傷を負ったというものだった。若宮たちは敦房の元に向かう。…
このシリーズは二冊目からだよ、という評判をよく聞いたんですが、よく分かりました。成程、一冊目より面白かった。(←おいおい;)
奈月彦は相変わらずあまり好きになれないキャラクターだったんですが、何しろ雪哉が魅力的で。雪哉の聡明さ(自覚のあるなしも含めて)、頑なさ。自分にとって譲れないものを持った彼を、奈月彦だけが理解していて、それを受け入れる。
話の展開にも感心しましたし。いや、すっかり騙されました。
これ、雪哉この後どうなるんだろう。結局若宮に仕えるんだろうか、それはそれでちょっと残念なような、見たいような…。
とりあえず、続き読もうと思いました。
奈月彦は相変わらずあまり好きになれないキャラクターだったんですが、何しろ雪哉が魅力的で。雪哉の聡明さ(自覚のあるなしも含めて)、頑なさ。自分にとって譲れないものを持った彼を、奈月彦だけが理解していて、それを受け入れる。
話の展開にも感心しましたし。いや、すっかり騙されました。
これ、雪哉この後どうなるんだろう。結局若宮に仕えるんだろうか、それはそれでちょっと残念なような、見たいような…。
とりあえず、続き読もうと思いました。