学生アリスシリーズ、短編集。
瑠璃荘事件
アリスが英都大学推理小説研究会に入ってすぐ。望月先輩の下宿でノートが紛失した。他の下宿生にはアリバイがあり、犯行可能だったのは望月先輩のみ、疑われているとのこと。トイレの電球が新しくなっていたことから証明された犯行時刻を、江神先輩が崩してみせる。
アリスが英都大学推理小説研究会に入ってすぐ。望月先輩の下宿でノートが紛失した。他の下宿生にはアリバイがあり、犯行可能だったのは望月先輩のみ、疑われているとのこと。トイレの電球が新しくなっていたことから証明された犯行時刻を、江神先輩が崩してみせる。
ハードロック・ラバーズ・オンリー
ハードロックががんがん鳴るカフェで知りあった少女。会話が聞き取り難い店内で筆談するほど親しくなったのに、街中で会った時には無視されてしまった。首を傾げるアリスに、江神先輩が一つの可能性を示唆する。
ハードロックががんがん鳴るカフェで知りあった少女。会話が聞き取り難い店内で筆談するほど親しくなったのに、街中で会った時には無視されてしまった。首を傾げるアリスに、江神先輩が一つの可能性を示唆する。
やけた線路の上の死体
和歌山の望月先輩の実家へ遊びに行くことになった推理小説研究会の面々。そこで偶然、殺人事件と遭遇する。死体を電車に轢かせて自殺に見せかけたかった様子、だがどの容疑者にもその場所に死体を置く余裕はない。死体を線路の上に置いた方法に江神先輩が気付く、そしてそれが可能な人物にも。
和歌山の望月先輩の実家へ遊びに行くことになった推理小説研究会の面々。そこで偶然、殺人事件と遭遇する。死体を電車に轢かせて自殺に見せかけたかった様子、だがどの容疑者にもその場所に死体を置く余裕はない。死体を線路の上に置いた方法に江神先輩が気付く、そしてそれが可能な人物にも。
桜川のオフィーリア
英都大学推理小説研究会の創設者の一人、石黒が相談を持ち込んできた。高校からの友人が、かつて水死した同級生の女の子の、その現場写真を持っているのを見てしまったという。彼はいつ、何故そんな写真を撮ったのか。見とれるほどに美しい写真に、アリスたちは真相を見出す。
英都大学推理小説研究会の創設者の一人、石黒が相談を持ち込んできた。高校からの友人が、かつて水死した同級生の女の子の、その現場写真を持っているのを見てしまったという。彼はいつ、何故そんな写真を撮ったのか。見とれるほどに美しい写真に、アリスたちは真相を見出す。
四分間では短すぎる
「四分間しかないので急いで。靴も忘れずに。……いや……Aから先です」
京都駅の公衆電話で偶然アリスが耳にした台詞。この言葉は何を指しているのか。アリスの疑問に、先輩達が色々な推論を弾き出す。
「四分間しかないので急いで。靴も忘れずに。……いや……Aから先です」
京都駅の公衆電話で偶然アリスが耳にした台詞。この言葉は何を指しているのか。アリスの疑問に、先輩達が色々な推論を弾き出す。
開かずの間の怪
織田先輩の下宿先の大家さんからの情報で、名立たる幽霊スポット花沢病院跡で一晩過ごすことになった推理小説研究会の面々。体調を崩して織田先輩が途中リタイアする中、いよいよ始まるポルダーガイストに浮かび上がる少年の顔。怯える後輩二人に江神先輩が冷静な判断を下す。「開かずの間が怪しい」。板で封をされたドアの向こうに、どうやったら出入りできるのか。
織田先輩の下宿先の大家さんからの情報で、名立たる幽霊スポット花沢病院跡で一晩過ごすことになった推理小説研究会の面々。体調を崩して織田先輩が途中リタイアする中、いよいよ始まるポルダーガイストに浮かび上がる少年の顔。怯える後輩二人に江神先輩が冷静な判断を下す。「開かずの間が怪しい」。板で封をされたドアの向こうに、どうやったら出入りできるのか。
二十世紀的誘拐
経済学の酒巻教授宅へお邪魔した望月・織田の両先輩。そこで出会った教授の弟は、売れない小説家なんだとか。教授宅にあった叔父の絵を持ち出して、身代金千円を要求するという行動を起こした。教授から身代金引き渡しの代役を頼まれた推理小説研究会の面々は、手ぶらで教授宅を出て行った弟がどうやって絵を持ちだしたのか疑問を抱く。
経済学の酒巻教授宅へお邪魔した望月・織田の両先輩。そこで出会った教授の弟は、売れない小説家なんだとか。教授宅にあった叔父の絵を持ち出して、身代金千円を要求するという行動を起こした。教授から身代金引き渡しの代役を頼まれた推理小説研究会の面々は、手ぶらで教授宅を出て行った弟がどうやって絵を持ちだしたのか疑問を抱く。
蕩尽に関する一考察
古本屋の主人が、この頃蕩尽に耽っているという。一人娘を亡くして以来、土地を売り払った金で料理屋で知りあった人の食事を奢り、旅行にも出かけ、店の商品もタダで配っているのだとか。無意味に見える蕩尽に意味はあるのか。江神先輩の推測に、有馬麻里亜も共に張り込みに加わる。…
古本屋の主人が、この頃蕩尽に耽っているという。一人娘を亡くして以来、土地を売り払った金で料理屋で知りあった人の食事を奢り、旅行にも出かけ、店の商品もタダで配っているのだとか。無意味に見える蕩尽に意味はあるのか。江神先輩の推測に、有馬麻里亜も共に張り込みに加わる。…
江神さんはさん付けなのに他の先輩のことは呼び捨てなのよね。やはり敬意の顕れかしら(笑)。それにしてもこんなに時代背景書き込まれてたんだ。
学生アリスのシリーズって、何だか妙にロマンチックなんだよなぁ。社会人アリスがそうじゃない訳ではないんですが、でも学生シリーズの方が強く感じます。大晦日、敬愛する先輩と京都の町を夜そぞろ歩く…って、もうこれはデートじゃん!(←こらこら;) 嬉しいよね、アリス。先輩達にさりげなく気を使われるアリス、アリスもそれに気付いてそっと感謝している温かさ。いいなぁ。
ミステリとしては納得するものもあり、「あれ?」と思うものもあり(苦笑;)。『蕩尽に関する一考察』は、もう疑問に感じるまでもなく「いや、これ身辺整理だよ」と思いましたし。『四分間では短すぎる』は私、お葬式だかお通夜だかに出るので急いで喪服に着替えて、とかいうパターンを思いましたねぇ。
着々と終わりに近付いて行っているのがわかる構成、あとがきでもそれらしいことに触れてましたね。最終話が読みたいような読みたくないような。いや、読みたいんですけど(苦笑;)。底に静かに哀しさが流れてるような気がするのは、江神先輩のキャラクターのなせる技かしらん。