『キノの旅』14冊目。
師匠が訪れた時には、子供に習い事を強要していた国。キノとエルメスが訪ねた時には、“強制しない”国になっていた。‥『情操教育の国』
長いことシゲロクルツ人に迫害されて来た「我々」は、とうとう武器を手に蜂起した。ある日、敵の急襲を受けた「私」は、たまたま一緒にいた旅人キノの作戦に乗り、囮になる覚悟をする。‥『呟きの国』
法律で×××××が規制されたことを愚痴る国民。‥『規制の国』
陶磁器が名産の国では、泥の中に混じる白くてやや透明な石を持て余していた。この石を売るためにはどうしたらいいか、旅人がアイデアを出す。‥『開運の国』
とあるベストセラー作家を殺害してくれ、とキノは出版社に頼まれた。キノは水たまりに釣り糸を垂らす作家に、このことを話す。‥『遺作の国』
シズとティーと陸が辿り着いた国は、近隣の国の友情と愛情を信じて城壁を撤去していた。無謀にしか思えないその行動を、冷めた目で見る同国人もいた。彼は国中の下水道に、爆弾を仕掛けたと言う。‥『亡国の国』
コンバットゲームでの強さが“女性にもてる”基準となっている国の話‥『結婚の国』
この国の住人はみんな健康で病気一つしないと言う。その理由とは‥『寄生虫の国』
ズムトラッタラ人をとにかく差別する国。人への罵り言葉でまで「ズムトラッタラ人」と馬鹿にする国で、さて、差別された国では。‥『差別をする国』
もう今はなくなってしまった国。近隣の人々はその国のことを話題にさえしない。何故ならその国は科学技術の進んだ“平和を愛する国”で、他国の戦争を止めさせようと戦争をしている国に攻め入ったから。そのきっかけは、一篇の詩に過ぎなかった。‥『正しい国』
ある国でキノは、危うく爆弾魔に殺されかける。女刑事のライヤは、その犯人は自分の幼なじみで、顔を見たキノをおそらく狙ってくると言う。彼女は犯人を捕まえて、ちゃんと刑に服させたいのだとか。三日後、護衛のライヤと共に国を出ようとするキノの前に、爆弾魔が立ち塞がった。‥『卑怯者の国』
三人の女性から護衛を頼まれたキノ。十年かけて貯めたお金を使って、彼女らは“日の出”を見たいのだと言う。‥『朝日の中で』