読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

夏目友人帳 11巻  緑川ゆき著  白泉社花とゆめコミックス

 やっぱりまいさんにお借りしました、まいさんいつもありがとう♪
 ネタばれになってます、すみません;

 封じてあるもの
 タキの家の蔵掃除を手伝って、夏目と田沼は封じられていた妖を解き放ってしまった。飛び散った体を探す夏目に、タキや田沼は勿論、タキの祖父・慎一郎を慕って集まった妖たちが手を貸す。

 遠き家路
 夏目の両親の家が売りに出されるらしい。ほとんど忘れてしまっているその家を、失う前にもう一度見に行くため、夏目は以前住んでいた町を訪れる。それは思い出したくなかった記憶をもう一度辿る旅でもあり、違う視点から観る旅でもあった。…

 アニメの第三期も決まった『夏目友人帳』。
 この間友人と話してて、少女漫画の映像化の話題になりました。友人曰く、
「少女漫画はそれだけで完成したものなんだから、アニメ化でもドラマ化でも別媒体にする必要はないと思う」
 …そう言えばアニメにしろドラマにしろ、少女漫画を題材にしたもので「これは原作を超えたね!」と言い切れる作品にはまだ出会ってないような…。『のだめカンタービレ』のドラマは、あれは原作を忠実になぞった上に音楽がついたからなぁ。
 『夏目~』でも、アニメのスタッフがこの作品を大事に思っていることは伝わって来るのですが、独特の空気感はやはり原作漫画ならではのものだと思うし。
 今回印象深かったのは、『遠き家路』での1エピソード。夏目が生まれてすぐ亡くなったお母さんは庭に何かの花を植えていた、お父さんの「今年も咲くといいな」という言葉を、夏目はかすかに憶えている。でも実際、この花はとうとう出て来ない。…これ、普通は花出すよな~。庭の片隅にひとかたまり残っていました、って感じで。でも出さない。もう無くなっている。…そう、夏目の帰る場所はもう他にできてるんだから。
 タキの夏目を理解する台詞「事情を知っていればわかるんだわ」の言葉に泣きそうになりました。

 でもまぁ、知らなかった作品を知るきっかけになる、ってことでアニメ化も十分意味はあるんではないかしらとも思いつつ。