読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

RDG レッドデータガール3 夏休みの過ごしかた  荻原規子著  カドカワ銀のさじ  2010年

 『レッドデータガール』三冊目。
 ネタばれあります、すみません;

 前期試験も終わって夏休み。
 鳳城学園祭の生徒会執行部メンバーは、宗田真響(まゆら)の紹介もあって、長野県戸隠で合宿をすることになった。友達の家に初めてのお泊り、と浮かれる泉水子だったが、真響には真響で思惑があったらしい。生徒会長 如月・ジーン・仄香から「生徒会を巻き込むな」と釘を刺される様子を見て、真響が泉水子や相楽深行を仲間に引き入れようと画策していたのだと、泉水子は気付く。それを嫌だと思っていない自分にも。
 真響はさらに、深行の力を試す。普段とは違う「層」に誘い込み、弟の真夏や神霊の真澄、真響のファンクラブでもある日本史研究会の面々に深行を襲わせる。泉水子が真澄を言い当てることで早々に決着はついたものの、真響も真夏も、泉水子の無防備さに不安を覚える。
 宿に戻った真夏に、愛馬・タビ危篤の連絡が入る。すぐさま厩舎に向かう真夏。愛馬の最期に立ち会って、真夏は自分も真澄のように神霊になった方が真響のためにもいい、と考えるようになる。そのまま姿をくらました真夏を探して、泉水子は自分の三つ編みをほどく。姫神を呼び出すつもりだったが泉水子は自分を失うことなく、真澄の案内で真夏が閉じこもっている岩戸に辿り着いてしまった。
 古来の伝承に基づいて、舞を舞って岩戸を破ろうとする泉水子。舞の効き目は強すぎて、元々閉じ込めてあった九頭竜大神まで出てしまった。泉水子を護ったのは深行、そして危機を救ったのは泉水子の母・紫子だった。…

 高柳一条、使い捨てキャラじゃなかったんだ(爆!)。学園の目的が世界遺産候補を決めるとか何とか、表題の意味と漸く繋がって来た三巻。…でもえらく世俗臭いことだったんですね~。
 深行の力は泉水子を護る時にしか発動しない様子、黒い翼が生える、ってのはカラス天狗かしら(笑)。「気のせいだ」で片づける深行に笑ってしまいました。
 真響も生臭くなってますね、でもこういう「できる」女の子を魅力的に書くのは荻原さんの得意技の筈。泉水子も好意を寄せてますし、紫子さんに至っては、深行の心も鷲掴みにした感もあり。
 天の岩戸の扉岩は、九州の高千穂から飛ばされて行ったんでしたよね、以前友人たちと高千穂に旅行に行った時、その話を聞いて爆笑した覚えが…。でも笑ってたのは私だけで、「え、面白くない? この距離を岩が飛んで行ったと思ったら??」と自分の感覚がズレているのかと不安になりましたっけ。家に帰って母親にその話をしたらやっぱり大ウケで、「…ああ、ここにDNAが…」と自覚したことを思い出しました。
 まだ夏休みは残っています。戦国時代をテーマに冠した文化祭や体育祭はどうなるのか。真響や真夏の後ろ盾には神様がつきました。次巻へ続きます。