読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

実録! 少年マガジン名作漫画編集奮闘記 宮原照夫著 講談社 2005年

 新聞に紹介されていたので読んでみました。予想以上に重くて厚い本で、ちょっとびっくり。
 著者はかつて週刊少年マガジンで「あしたのジョー」や「巨人の星」を担当した編集者。特にマガジンの特徴かもしれませんが、編集者がここまで作品をプロデュースしてるとは思いませんでした。企画段階で今度はこんな話が欲しいと言うことになったら、こんな原作を書けるのは誰だ、じゃああの人にお願いしよう、それを絵にするには誰がいいか…て感じ。そりゃラストシーンまでしっかり作れるはずだわ。
 少年ジャンプは当時の連載作品をラインナップまでして比較検討してるのに、少年サンデーは本当にアウトオブ眼中。チャンピオンで触れてるのは手塚治虫山上たつひこのみ。かの有名な「W3」事件については?…て言うか、事件そのもののこともはっきりとは書いてなくて、これ知らない人が見たら何のことやら分かんないよ; そういう裏話の方が知りたかったんだけど; 
 「ストーリー漫画の原点は」とかって江戸・明治時代からの流れを、資料を挙げてつらつら述べているんですが、これが結構長くて「ちょっとこれは別の本で改めてやってくれよ;」とか思ったり。手塚治虫全集のエピソードも、面白かったんだけど、でもこの本で書く必要あったのかしら; まぁ、「これが最初で最後の本かも!」と思ったら、詰められるものは全部詰めておこうと思うかなぁ(笑)。でももっと、この著者ならではのエピソードが知りたかった。それにしても資料はそれを説明してるページに入れる方が断然見易いと思うんですが。どうして章末にまとめて入れたんだろう、やっぱりコストの問題かしら。
 以前読んだ「さらば! わが青春の『少年ジャンプ』」(西村繁雄著)がやっぱりジャンプ創刊から黄金期を支えた編集者さんが書いた本だったのですが、こっちの方が私には面白かったなぁ。
 こんなこと言うのも何ですが、著者さん、まだ奥歯にモノが挟まってませんか?(笑)
 さて、今度は「少年サンデー」の出番ですね。
 …しかし、「うる星やつら」や「タッチ」のことはどう思ってたのかなぁ。