読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

因果の刀 金春屋ゴメス 西條奈加著 新潮社nex 2023年

 『金春屋ゴメス』シリーズ3冊目。ネタばれになってるかも、すみません;

 江戸国からの阿片流出事件について、日本から査察が入った。メンバーは大御所議員の印西茂樹を団長として、ゴメスを敬愛する科学者の名瀬、時代劇オタクのサンジープ・クマールに印西の娘 万里亜・ネオ。江戸城で評定が開かれる中、印西は秘密裏にゴメスに接触し、江戸国の開国と明け渡しを迫る。印西の目的は江戸国深くに眠る白緑石で、この資源を元にロケット燃料を開発し暴利を貪る算段だ。拒絶すれば江戸国は消滅と脅しをかけたその直後、印西が刺殺体で見つかった。凶器はゴメスの脇差、ゴメスは容疑者として日本製の牢獄に監禁されてしまう。だがゴメスはどこ吹く風、金春屋の飯を出前に取って、毎日ぐうたら過ごしている。だが、ゴメスにはこの先江戸に起こるであろう災厄も、印西殺しの犯人も見えていた。彼女は手下の者に、こっそりとある指示を与える。…
 ゴメスが小石川療養所にいた頃、療養所の改革と金春屋との出会いを描いた短編『ゴメスおまけ劇場 小石川の怪獣』も収録。 (裏表紙の紹介文に付け足しました)

 よもや『金春屋ゴメス』の続きが読める日が来ようとは…。
 江戸国が狙われている!とかいう展開に、何、地下にサクラダイト(©コードギアス反逆のルルーシュ)でもあるの、とか思ってたら、中らずと雖も遠からずだったようで。
 読むのに時間が掛かりました。一作目では江戸国が分かり易く説明されていたのに、三作目では近未来の日本と対照することで、かえってややこしくなっている皮肉。江戸国の登場人物も区別が付きにくい。ゴメス配下の人々は、申し訳ないけど十把一絡げでした。これは私が前作をおさらいしなかったせいもあるんでしょうけど;
 とか言いながら、ゴメスの過去は明らかになったし、伏線引いてあったりして、話の展開もしっかりしてました。続きはあるのかな、一応完結したような雰囲気もなくはない。作者の中には、まだまだお話は広がっていそうなんですが。