読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙Ⅸ   支倉凍砂著/文倉十イラスト  メディアワークス電撃文庫  2023年

 シリーズ9冊目。
 ネタばれあります、すみません;

 狼の化身ルティアが抱えていた心の呪縛を解き、教科書を巡るアケントでの争いに終止符を打たせたコル。目的であった聖典印刷の目処も立ち、いざ公会議に向けコルたちは準備を始めるのだった。
 全世界の聖職者が集う公会議、来るべき論戦を優位に進めるべく、一人でも多くの味方集めが重要となる。だが、その出鼻をくじくように”薄明の枢機卿”の名を騙る偽物が現れたとの報せが届く。
 聖堂都市エシュタットの圧政に立ち向かう、”薄明の枢機卿”の名の許に建てられたという希望の街オルブルグ。かねてからの謙遜が仇となり、自分が本人であることを証明できないコルは決断を迫られる。最早教会は、偽物の"薄明の枢機卿”を、それを熱狂的に支持し共に教会を弾劾する領民もろとも攻撃する準備に入っていた。
 偽物の”薄明の枢機卿”一味の目的は、おそらく銅鉱山。布教でも教会の糾弾でも人々の救済でもない。騙されてしまっているだけの人々を救うにはどうしたらいいのか。エーブに三日間の猶予を貰い、知恵を絞り出すコルたち。期限を前に、ミューリの幼い頃の悪戯が、エシュタットの地形的な成り立ちに重なり合う。オルブルグからエシュタットへ、人々を逃げ込ませる計画を思い付く。…  (表紙折り返しの紹介文に付け足しました)

 これはまた、後始末の大変そうな方法を思いついたなぁ。
 この作品、一人称が「自分」だったんですね、9作目になって気が付きました(←おい;)。いや、コル目線で書かれていることは分かってたんですけど、ほぼ一人称小説だったのか。(←今更;)
 コルはいよいよ表舞台に立つ決意をしたようです。ミューリも見惚れる正装っぷり、立派になったねぇ(笑)。あとがきによると最終目標も見えてきたとのこと、新大陸へ行くんじゃなかったのか。
 そうそう、今回イラストでちょっと首を傾げた箇所が。三本指を立てた場合、小指は親指で抑えないと曲がったままにならないと思うな。…細かいことをすみません;
 次巻に続きます。