若だんなが行方不明になり、長崎屋の不運が幕を開けた。
最大の窮地を乗り越えられるの!?
長崎屋から妖が消えた! 最初は噺家の場久、次は火幻医師。彼らを探すため、影内に紛れ込んだ病弱若だんなは、すべて西から来た妖・以津真天の仕業だと知る。大事な友を救うため、果敢に悪夢に飛び込んだ若だんなだが、目覚めた先はなんと五年後の江戸。そこでは長崎屋が倒産寸前で、新規の大久呂屋が大繁盛していた。大久呂屋は、五年前に若だんなが考案した「薬の配合が容易くできる」薬升を何故だか手に入れ、長崎屋の得意先を次々乗っ取っているらしい。若だんなが行方不明になり、長崎屋が左前になったことで、許婚の中屋於りんは団子屋に働きに出て、常連の侍に言い寄られていた。
このままこの五年後の世界を立て直すのか、前の世界に戻るのか。戻るのならその方法は。鍵を握るのは 以津真天なのか、それとももっと大きな力なのか……。 (出版社紹介文に付け足しました)
シリーズ22冊目は長編でした。
火幻の家に集まり始める西の妖、そのうち以津真天が暴走します。これは、最終的に若だんなに手懐けられた、ってことでいいのかしら、まぁ若だんなったら妖怪たらし(苦笑;)。とすると解決法は案外簡単だったんだよなぁ。確かに、話し合いは大切ですけど(笑)。
それも長崎屋の莫大な資産あってのことで、妖を養うのも大変です。でもちゃんと妖たちがバックアップしてくれるもんなぁ。兄やさんたちがいなくても資金繰りには困らない。長崎屋、そりゃ潰れないよ。於りんちゃんもいいお嫁さんになりそうだし。
それにしても。いつの間に以津真天は人間の姿を取れるようになったんだ?? ならあんなに拗ねなくてもよかったろうに、と思ってしまいました。