第22回 手塚治虫文化賞 短編賞受賞作品。
1階には大家のおばあさん、2階にはトホホな芸人の僕。挨拶は「ごきげんよう」、好きなタイプはマッカーサー元帥(渋い!)、牛丼もハンバーガーも食べたことがなく、僕を俳優と勘違いしている……。一緒に旅行するほど仲良くなった大家さんとの“二人暮らし”がずっと続けばいい、そう思っていた――。
泣き笑い、傑作漫画。 (出版社HPより)
図書館にあったので借りてみた一冊。
NHKでアニメになってましたね、いつだったか放送されてたのは見ました。そこでの絵が印象に残ってたので、原作読んでちょっと驚きました。思ったより素朴な感じだったので。…そうか、アニメの絵、随分洗練されてたんだな。
アニメで見たエピソードは半分くらいかな、「僕」の淡い恋バナや九州旅行、TV番組「ごきげんよう」に出たという話は知りませんでした。大家さんが入院した顛末も。
上品で育ちのいい大家さん、こんな人を踏みにじるのはおそらく簡単だろうに、「僕」はおずおずとながら向き合い、心を開き、敬意を払い、感化されていく。大家さんの可愛らしさは勿論、浮かび上がってくるのは「僕」の善良さ。温かい世界が描かれる。
多少失礼なこと言っても許されるキャラののちゃーんさんがちょっと羨ましいのは、矢部さんもそう思ってるからでしょうね。
お家のリフォームも済んで、また一緒に暮らせることを喜ぶ「僕」。こういう、大切にされるおばあさんになれたらいいなぁ、とちょっと遠い目をしてしまいました。
…まず先立つものをたっぷり持ってることが第一条件かも。伊勢丹で一腹2000円のたらこが躊躇なく買えるくらいに。(←ムリ・苦笑;)