読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

遠まわりする雛 Little birds can remember 米澤穂信著 角川文庫 2010年

古典部〉シリーズ第4弾。初出は2007年。

 やるべきことなら手短に
 4月の終わり。できたばかりの学校の怪談『月光を奏でるピアノ』を里志から聞いた奉太郎。噂の出所はA組、と聞いて嫌な予感にかられる。案の定、千反田えるは奉太郎を訪ねてB組までやって来た。用件を切り出そうとするえるに、奉太郎は別の七不思議その一『秘密倶楽部の勧誘メモ』を教える。

 大罪を犯す
 初夏。授業中かすかに聞こえた隣のクラスからの激しく言い争う声、どうもえるの声に聞こえる。果たしてえるは数学の教諭とやりあったらしい、理由は教諭が授業範囲を間違えていたから。普段几帳面に進度をメモしている教諭がどうして勘違いしたのか、えるは奉太郎に尋ねてくる。

 正体見たり
 夏休み、古典部の温泉合宿が実行された。宿泊先は摩耶花の親戚が営む民宿、七号室には首吊りの幽霊が出ると、民宿の娘姉妹が得々と喋る。果たしてその夜、摩耶花とえるは首吊りの影を見てしまった。「枯れ尾花」の類だ、と断じる奉太郎、それならその枯れ尾花は何だったのか。

 心あたりのある者は
 11月の初め。放課後の教室に響き渡った校内放送、その内容から、奉太郎は呼び出しの理由を推測していく羽目になる。『10月31日、駅前の巧文堂で買い物をした心当たりのある者は、至急、職員室柴崎のところまで来なさい』…

 あきましておめでとう
 元日。巫女姿で売り子のバイトをする摩耶花を冷やかしに、えると奉太郎は荒楠神社へ。社務所での用事をいいつかったものの勘違いから二人は納屋に閉じ込められてしまった。世間体を気にするえるのために、助けを呼ぶことはできない。奉太郎は隙間から持ち物を落とし、社務所の摩耶花と里志に危機を伝えようとする。

 手作りチョコレート事件
 2月、バレンタイン。摩耶花が里志に渡すべく持ってきた手作りチョコが失くなってしまった。最後に部室にいたえるは責任を感じて狼狽え、奉太郎は盗った犯人を捜すことに。走り回りはしたものの、奉太郎には犯人の目星がついていた。

 遠まわりする雛
 4月、春休み。奉太郎は、水梨神社の旧暦雛祭りの行事に、急遽参加することになった。生き雛に扮したえるたちが、集落を巡る雛行列。延期を依頼していた筈の橋の架け替え工事が何故か行われていたため、ルート変更を余儀なくされて、主催者たちは大わらわ。祭事は無事に行われたものの、えるはその「手違い」が気になって仕方がない。祭りが終わった後、えるは奉太郎に真相を訊く。…

 予約本があと少しで回ってきそうな感じが数週間前からありまして(しかもラッシュで!)、それまでの繋ぎに何を読もうかと迷う日々です。とりあえずシリーズ途中だった作品を読み進めているんですが、なかなか選択難しいんですよね、予約本が来たらすぐそっちを読めるように、ボリュームがあるのは今は避けたいし。
 で、〈古典部〉シリーズです。
 いや、里志くん、難しいこと考えずにチョコレート受け取ろうよ、貰えるだけありがたいじゃん。…って思ってしまうといけないんでしょうね、そこが里志くんの里志くんたる所以でしょうし、その辺りの機微を理解せず突っ走るのがえるちゃんなんでしょうし。
 奉太郎がどうしてえるちゃんを無視できないのか、本人も薄々気付いている様子ですね。何だかんだ、奉太郎くんえるちゃんに見惚れてるもんなぁ。ただ、道行って着物の前面の柄見えたっけ??とは思いましたが。
 ここまではアニメ化されてましたよね。次からまっさらな状態で読むことになりそうです。