読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

きのう何食べた? 1・2巻 よしながふみ著 講談社モーニングKC

筧史朗(弁護士)と矢吹賢二(美容師)の「食生活」をめぐる物語です。(出版社HPより)

 弁護士 筧史朗は美容師 矢吹賢二と同棲中、例え給料は安くても残業はしない、スーパーの特売品をゲットしてその日の夕食を作る。冷蔵庫の材料と組み合わせて いい献立を考え付くと、密かな充足感を覚える日々。
 自炊の理由は老後のための貯蓄。
 ゲイであることや仕事上でのストレス、老いてきた両親とのやり取り。
 食を中心に据えた日常が描かれる。…

 よしながふみ作品にハズレなし。今までの作品でも美味しそうなものが数々描かれてきましたが、それをメインに据えてます。それが話と無関係な訳ではなく、人間性が伺えたり、状況が響いて来たり。この繋がりがとにかく巧い。何気ない一言から性格や品性が察せられたりする展開も相変わらず。で、全てがそこはかとなくユーモラスで受け入れ易い。
 史朗や佳代子さんら理性的な登場人物の物の見方が結構心地よくて、父親の病気発覚の時の感想なんか、そうだろうなぁ、そうだよなぁ、と深く頷いてしまいました。
 異性間では気付かないのに、同性にしたら炙り出てくる違和感。これは『大奥』でもそうでしたね、本当、お見事。

 実写ドラマ化も評判良かったようですが、私は合格点出せなかったなぁ。勿論、今までの実写化、アニメ化作品に比べたら原作をリスペクトしている様子は伺えましたが、それでも「いや、あの人こんな風に演じちゃ駄目だろう??」って場面は、私は随所に感じました。

 お母さんについて、「着物くらいの当たり障りのない趣味にはまってくれてる方が」とか言ってる史朗ですが、着物がどれだけ高価か分かってないようで。作者は勿論知ってるから、これはこの時点での史朗の感想、この後色々思い知る訳ですよね。この辺りの何気ない伏線も流石だなぁ。
 次巻に続きます。