読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

つくもがみわらいます 畠中恵著 KADOKAWA 2019年

 『つくもがみ』新シリーズ、連作短編集。

 つくもがみ戦います
出雲屋の付喪神たちが誘拐された。跡取り息子の十夜は心配し、出雲屋に残っていた付喪神たちと協力して行方を探す。挙動の怪しい預け先の手代を手掛かりに、行き着いたのは両国の見世物小屋。そこで付喪神たちは、別の付喪神たちと悶着を起こして暴れていた。

 二百年前
旗本篠崎家の家宝、徳川家よりの拝領品の屏風から、夜ごと声がするという。屏風自体二百年前の代物、付喪神になっていてもおかしくはない。利休鼠が中に入り込んでしまったのを救い出しに、屏風の中に入る付喪神たち。先日もめた両国の付喪神たちと入った世界は、二百年前の風物がそのまま残った世界だった。

 悪の親玉
両国の付喪神たちの持ち主は、見世物小屋を元締めている阿久徳屋。その主人が山白家へ行ったきり、戻って来ない。流行り病で家人を亡くし、幽霊騒ぎまで起きているこの屋敷で、一体何があったのか。付喪神たちが潜入し、阿久徳屋主人の行方を探ることに。

 見つかった
出雲屋の十夜が賊に襲われた。続いて阿久徳屋の主人も。阿久徳屋の養い子春夜も含めて、阿久徳屋がかつて世話した捨て子たちが狙われているらしい。何故今更、という背景には、付喪神たちが屏風の中から持ち出してきた二百年前の刀と、大判が関係していた。

 つくもがみ笑います
武家社会が続くよう、いずれ付喪神になるようにと作られた逸品「百年君」。だがそれがどんな品だったか、今では分からなくなってしまった。屏風の中に入って不老不死を堪能する、というデマも流れてますます混乱、阿久徳屋が襲われたことも百年君の製造元と関係しているらしい。百年君とはどういうものなのか、どこにあるのか。十夜や付喪神たちは推測する。…


 次世代になって新章突入、って感じでしょうか。今度は付喪神の存在を人間も承知していて、『しゃばけ』と状況似て来たな~、という感じ。とか言いながら、十夜って誰、って思ってたんですけど(苦笑;)。
 二百年前の屏風に入ってそこから物を取ってくる、っていうのは、それは何でもありになっちゃうなぁ、と思いました。持って出て来た段階でまだ新しい、時代が経ってない、とかでもないのよね~。
 十夜、春夜の出生の秘密が今後明らかになって行くんでしょうか。どうもまだまだ続きそうです。