読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

あきない世傳 金と銀 十 合流篇 高田郁著 2021年 角川春樹事務所

 シリーズ10冊目。

 藍の浸け染め用の新しい図案に思い悩んでいる様子の賢輔。両国の花火大会で何かしらの発想を得たらしく、大坂から着いた菊栄も湯島の物産展に連れて行ったりとヒントを与える。白子から型彫師仲間の梅松を訪ねて逃げて来た誠二の助言や、紙問屋 千代友屋の助力も得て、大花火を咲かせる図案を完成させた。
 その間も五鈴屋は帯結び指南は元より、柄合わせを考えた裁断法を教える裁ち方指南を始め、客に役立つ、買い物への抵抗を減らす様々な工夫を凝らす。
 構想二年、いよいよ発売を両国の川開きの日に定め、準備を始める五鈴屋。湯屋に浴衣を配り、番台で一斉に着用して貰うように手筈を整えた。菊栄は西隣の提灯屋三島屋を買い取り、五鈴屋に売り渡す。五鈴屋店舗拡張に伴い、店の一角は菊栄の小間物を扱うこととなった。
 果たして、湯屋からそのまま着て帰れる浴衣は爆発的にヒットする。…

 賢輔どんはもはやデザイナーだなぁ、と思いつつ。
 今まで縁のあった人たちが集まり、新しい図案 大花火柄が出来上がりました。紙まで関係してくるのか、ってのは新鮮だったなぁ。幸さんの人徳あればこそ、でも結さんにはそれも鼻持ちならなく見えるのかも。
 菊栄さんも木綿製団扇で才覚の一端を見せました。店一軒買える程の金額を持参して来てる、てどれだけ実家を儲からせたんだ。用意周到、先立つものがあるのはとにかく心強いですものね。三代目井筒屋こと惣次さんとも出会って、色々目論んでいる様子、今度は菊栄さんの快進撃が始まるのかな。
 次巻に続きます。