読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

千年ジュリエット 初野晴著 角川書店 2012年

 シリーズ4冊目。
 ネタばれあります、すみません;

 エデンの谷
文化祭の発表会に向けた吹奏楽部全体練習の最中、現れたのは一人の女性。スナフキンのコスプレのような恰好をした彼女は草壁先生の知り合いらしい。山辺真琴と名乗り、先生と名前を呼び捨てで語り合う姿は、ハルタの嫉妬心を煽るのに十分だった。先生の恩師の孫娘、という立場の彼女はプロの鍵盤ハーモニカ(クラビエッタ)奏者、祖父の持っていたベーゼンドルファーのインペリアルモデルピアノの相続者として指名された。だがピアノには鍵がかかったまま、その在処を彼女は聞いていない。極度の弱視の彼女に代わり、ハルタとチカは祖父からの贈り物のクラビエッタの分解を頼まれる。

 失踪ヘビーロッカー
文化祭当日、ハードロックを演奏する筈のアメリカ民謡クラブ部長 甲田さんが登校してこない。機材を持ってタクシーに乗って、そのまま学校の周囲をぐるぐる回っているらしい。一体何が起こっているのか。

 決闘戯曲
演劇部の新進気鋭の脚本家 大塚修司が失踪した。台本はまだできていない。三世代に渡って繰り広げられた決闘の歴史、大塚の家に代々伝わる「必勝法」を舞台化したいが結末が書けないと逃げ出したのだ。前半の展開を演じてみせる演劇部の面々。ハルタとチカは、その場で必勝法を模索する。

 千年ジュリエット
インターネットで恋愛相談に応じていた女の子5人。虹色を模した5色をコードネームにしていた5人は、一人、また一人と姿を消していく。そして今日。清水南高校の文化祭を訪れた「私」トモがいた。…

 
 予約本が回ってくるまでにちょっと時間がかかりそうなので、この機会にシリーズ途中になっていた作品群をそこそこ片付けようか、ってんで手を出した一冊。
 何か色々疑問点はあるのですよ、クラビエッタの鍵盤クリーニングに出してたんなら、材質のことも業者から聞いてなかったのかとか。でもまぁあの結末は、彼女がちゃんと愛されていたんだ、ということが伝わってくるな、とは納得しました。
 そうそう、「ドイツやフランスでは虹は五色なのよ」「西洋の思想が入って、七色になったの」。 …ドイツやフランスはは西洋じゃないのか??ってツッコミは、思った読者結構いたんじゃないかな(笑)。キリスト教の影響、ってことになると、もしかしてアメリカとかの方が実は強いのかもなぁと思ったり。