読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

狼と香辛料ⅩⅩ Spring LogⅢ  支倉凍砂著/文倉十イラスト  メディアワークス電撃文庫  2018年

 『狼と香辛料』シリーズ20冊目。短編集。

 狼と春の落とし物
抜け毛の季節、ホロの大量の毛を厄除けグッズか何かに使えないかと考えるロレンス。折しも、豚を丸々一匹土産にして現れたミューリ傭兵団団長ルワードは、ミューリがくれたお守りで困ったことになっている、と訪ねて来た。

 狼と白い猟犬
ニョッヒラに監察官としてやってきた異端審問官。宿泊先は“狼と香辛料亭”、まだ新参者らしい亭主は小麦の代わりに燕麦を大量に掴まされて困っていた。旅の保存食として、かちかちの燕麦パンを所望する審問官。そして過酷な旅の中で、この宿屋がどうしてあんなに繁盛していたか知ることになる。

 狼と飴色の日常
羊皮紙に日常の出来事をせっせと記録するホロ。ロレンスが覗いてみると、何だか盗み食いの記録のようになっている。だが、ロレンスはその内容に違和感を感じる。

 狼と青色の夢
ニョッヒラと、ホロの眷属の住まう宿場町との道路開発のため、山道に分け入ったホロは、洞穴の中で古い遺体を見つける。遺体の傍には打刻槌、折しも貨幣不足で悩む温泉町で、「誰が葬式を取り仕切るか」にわかに聖職者の覇権争いが始まる雰囲気。喧噪の中、何かに怯える様子のホロ。ホロは何を不安がっているのか。

 狼と収穫の秋
狼と香辛料亭”を訪ねて、人ならざる客が多数現れた。人目を気にせず、くつろげる湯屋がある、と評判になっているらしい。尾ひれのついた噂話に頭を抱えるロレンスを尻目に、ホロは客と飲み比べをして全勝している。翌日、賭けの代償として湯屋を手伝う客人たち、その嬉々とした様子を見て、ホロはロレンスにある提案をする。…


 最後の最後で本気でびっくりしてしまいました。…え、ホロとロレンスまで旅に出るの? 本当に??
 何か終わらなくなってるんだけど、大丈夫かな(苦笑;)。
 毎回、困難の対処法にすかっとする作品群なのですが、今回貨幣不足の問題は根本解決とはならなかったようで、珍しい。でもまぁ、確かに貨幣を自分たちで打ち出す訳にはいかないし、兌換紙幣なりなんなりになると、保証と言うか銀行業務みたいになってきて、ロレンスだけでは無理だろうからなぁ。
 さて、そうすると次回は短い旅の物語になるんでしょうか。どうなるのかなぁ。