連作短編集。
ネタばれあります、すみません;
ネタばれあります、すみません;
「カマキリ(恐妻家)の斧(アックス)を甘く見てるなよ」
「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。引退に必要な金を稼ぐため、仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。
こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。 (帯文より)
「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。引退に必要な金を稼ぐため、仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。
こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。 (帯文より)
AX
BEE
Crayon
EXIT
読み始め、主人公のあまりにも妻への怯えっぷり、気遣いっぷりに「…ここまで卑屈にならなくても…」と思ってたのですが、後半になるとそれもコンプレックスの裏返しだったり妻への愛情表現だったりから来ていることが分かって、しかもそれを理解してくれている息子の言動もあって、何だか微笑ましくも可笑しくなってしまいました。それだけにいきなりの文章、「八階建てのオフィスビルの屋上から落下し、死亡する」には本気で驚きました。読んでた電車の中で、思わず前のめりになってしまったほど(笑)。
それからは怒涛の展開、先が気になって仕方ない。ハラハラどきどき、ラスボスこの人だったのかとも思いましたし、伏線も次々回収されるし。「なのちゃんクリーニング」は流石に気が付きましたけどね(笑)。
お母さんとの出会いで終わるお洒落な構成、各章の頭にハンコが押されてる装丁も「そうそう、これこれ」と嬉しい。最終章で息子の名前のハンコが出て来た時には「…おお!」と思いましたよ。お父さん亡くなっちゃうの残念だけど、でも愛情はちゃんと引き継がれてる。
懐かしい名前もちらほら出て来て、前の作品を読み返したくもなりました。
やっぱり伊坂さんのこういう作品好きだな。
「兜」は普段は文房具メーカーの営業員だが、裏では超一流の殺し屋。ただ、息子の克己が生まれて以来、引退を考えている。引き留めるのは仲介役の内科診療医。辞めるのは一戸建ての家を買うほどの金が要るとかで、そのためにまた仕事をするというマッチポンプな生活を送っている。
今回のターゲットは爆弾職人、克己の進路相談日にぶち当てたかのように急に舞い込んできた。大急ぎで片付けて息子の通う高校に飛び込む「兜」。たまたま場所を尋ねた相手は、息子が噂していた新人の美人教師だった。
今回のターゲットは爆弾職人、克己の進路相談日にぶち当てたかのように急に舞い込んできた。大急ぎで片付けて息子の通う高校に飛び込む「兜」。たまたま場所を尋ねた相手は、息子が噂していた新人の美人教師だった。
BEE
Crayon
EXIT
営業で通う百貨店の、警備員と仲良くなった。同じく一人息子のいる奈野村さん、中学生の息子が「夜の百貨店で働く父親の姿が見たい」と言ってきたという。息子の影に悪い友達の存在を感じる奈野村さんを見て、「兜」は自分もその場に立ち会うことを提案する。
FINE
父親は死んだ翌日、診療所の予約をしていた。遺品には見知らぬ鍵、今更ながら父親の自殺に疑問を持つ克己。訪ねて行った診療所の医師は克己のことを探る様子、以来、克己の周囲に不穏な空気がつきまとう。鍵はどこの鍵なのか、父親は一体何をしていたのか。…
面白かった! 伊坂幸太郎面目躍如!読み始め、主人公のあまりにも妻への怯えっぷり、気遣いっぷりに「…ここまで卑屈にならなくても…」と思ってたのですが、後半になるとそれもコンプレックスの裏返しだったり妻への愛情表現だったりから来ていることが分かって、しかもそれを理解してくれている息子の言動もあって、何だか微笑ましくも可笑しくなってしまいました。それだけにいきなりの文章、「八階建てのオフィスビルの屋上から落下し、死亡する」には本気で驚きました。読んでた電車の中で、思わず前のめりになってしまったほど(笑)。
それからは怒涛の展開、先が気になって仕方ない。ハラハラどきどき、ラスボスこの人だったのかとも思いましたし、伏線も次々回収されるし。「なのちゃんクリーニング」は流石に気が付きましたけどね(笑)。
お母さんとの出会いで終わるお洒落な構成、各章の頭にハンコが押されてる装丁も「そうそう、これこれ」と嬉しい。最終章で息子の名前のハンコが出て来た時には「…おお!」と思いましたよ。お父さん亡くなっちゃうの残念だけど、でも愛情はちゃんと引き継がれてる。
懐かしい名前もちらほら出て来て、前の作品を読み返したくもなりました。
やっぱり伊坂さんのこういう作品好きだな。