読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

Arknoah(アークノア)2 ドラゴンファイア  乙一著╱toi8イラスト 集英社 2015年

 シリーズ2冊目。
 ネタばれあります、すみません;

 アークノアの世界に歯並びの悪い竜が現れた。炎を吐き、高スピードで飛んで人を襲う花柄模様の巨大な竜。退治するために列車を調達したリゼ・リプトンだったが、まるで歯が立たない。
 竜はマリナ・ジーンズの化身だった。歯並びが悪く、苛められっ子だった彼女を慕うように、竜は彼女のいる【中央階層】まで飛んでくる。アール・アシュレイの化身の蛇によってアークノア特別対策本部の建物から外へ出たマリナは、自分と心が繋がっている竜を殺すに忍びなく、結局竜と共にに逃げ出してアークノアの果てを目指すことになる。
 凍てついた湖の畔の古城で、マリナは竜と暮らし始めた。リゼたちは竜を倒すため【厳冬湖】に集結するが、なかなか切っ掛けが掴めない。城に潜入した犬頭のカンヤム・カンニャムも、却ってマリナに捕まってしまう始末。やがて、宿営地にいるアールの前に、蛇が現れる。彼を殺そうとするリゼに、蛇は取引を持ちかける。曰く、自分が古城に忍び込んで、情報を持ってくる、と。アールは蛇と共に古城に向かい、スパイとして動き始める。一方、リゼたちは水を抜いた湖の底に、竜を倒すための高射砲を設置し始めた。
 いよいよ作戦決行の時、竜とリゼ達の壮絶な戦いが始まった。どさくさに紛れて逃げ出す蛇。何とかマリナを説得しようとするアール。だがリゼは、最終手段も視野に入れていた。…
 
 
 シリーズ二冊目、といいながら1冊目の内容を「部屋がたくさんある世界に紛れ込んだ」くらいしか覚えていなくてですね; 今回、そうそう、こんな話だった、と手探りで思い出しながら読みました。
 面白かったです。乙さん、描写上手いなぁ。
 ちょっと「どういう状況なのかわからない」表現のお話を読んだ後だったので余計にそう感じたのかもしれませんが、ドラゴンが列車を襲う場面とか、目に見えるように情景が浮かんでくる。「湖の水を抜く」なんて、この世界ならではの発想には、本当に目から鱗!でしたよ。
 ドラゴンどうやって倒すんだろう、と思ってたらこのラストです。無邪気にリゼを信じていたアールの決断、え、あの蛇信用するの?? でもこの展開は乙さんならではだよなぁ。。
 現実世界では弟のグレイも情報を集めて動いている様子、どうなるのか先が気になります。どうか哀しい結末になりませんように。