シリーズ22冊目。
ネタばれあります、すみません;
「知らない話」
オーロラを見たシズの反応。
「誕生日」
誕生日を盛大に祝う習慣のある国で、キノとエルメスは誕生日を訊かれた。
「仮面の国」
あまりにも人の美醜について敏感な国に、師匠は一つアドバイスをする。
後日、その国を訪れたキノは人々の被っていた仮面の機能的優秀さに驚き、シズは人々に仮面を外してみることを提案する。
「退いた国」
岩盤が貴重な鉱石でできた国の人々に、立ち退きを依頼した大きな国。だが人々はそれを受け入れる筈がなく、大きな国の人は内側から人々の結束を崩すよう、スパイを使って働きかける。
「取り替える国」
貧富の差が激しい国で。師匠と弟子は、数か月前に両親を事故で亡くしたばかりだという少女に出会う。何かに見られている、と怯える彼女の前に「本当の親だ」と名乗る女が現れて…。
「議論の国」
何かを決める時にはトコトン議論しあって決定する国は、山火事も消火すべきかどうか何日も話し合っている。そのうち、風向きが変わって北部の住宅地に火が燃え広がり始めた。
「届ける話」
一人の若い傭兵が依頼されたのは、とある王国に荷物を届けること。ふたを開けてみるとそれは白い子犬で、傭兵はその世話に手を焼くことになる。
「来年の予定」
フォトはとある町のイベント、音楽フェスの写真撮影を頼まれた。荷物運びとして助手に着けて貰ったイライザは、大柄で力持ちだけどとにかく鈍臭い。最終日の嵐の中、イライザのとある才能に気付いていたモトラドのソウは、彼女にステージに上がるよう背中を押す。
「餌の国」
とある国の偵察を頼まれたキノ。果たしてその国に、人影は見られない。何が起こったのか、一つのドームの中で、キノは多量の人骨を見つける。
「川の畔で」
川の畔で、食糧を失い一家無理心中を図った男の遺書を見つけたキノとエルメス。最後にあった書き殴ったような文字の意味は何だったのか、それは川下から現れた。
あとがきは「二十年目のボク達」
そうか、シズと陸の出会い、ってのは今まで書かれてなかったんだな、と改めて驚きました。
やっぱり好きだな、この作品。童話、寓話的な仕立て方は相変わらず、皮肉で残酷な終わり方もあればハッピーエンドもあり、でもどの話の底にも流れる仄かなユーモア。シズがパン屋になってすっかり太ってる、ってなかなか意外な発想でした(笑)。
さて、まだまだ続くのかな。楽しみです。