読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

あまねく神竜住まう国 荻原規子著 徳間書店 2015年

 伊豆の地にひとり流された源頼朝は、まだ十代前半の少年だった。
 土地の豪族にうとまれ、命さえねらわれる日々に、生きる希望も失いがちな頼朝のもとへ、ある日意外な客が訪れる。かつて、頼朝の命を不思議な方法でつなぎとめた笛の名手・草十郎と、妻の舞姫・糸世の運命もまた、この地に引き寄せられていたのだった。
 北条の領主に引き渡され、川の中州の小屋でともに暮らし始めた頼朝と草十郎。だが、土地の若者と争った頼朝は、縛り上げられて「大蛇の洞窟」に投げ込まれる。
 間一髪、草十郎に助けられたものの、大蛇と共に自分の両手両足に絡みつく小さな白い蛇を見た頼朝。どうやら姉・万寿姫が土地神と同化して大蛇になったらしい。草十郎は、万寿姫が自分に執着していて頼朝がとばっちりを受けていると説明するが、頼朝はそれは自分が解決することだと悟る。
 大雨の日、中州にある小屋まで水が押し寄せる中、頼朝は自ら中の竜で、万寿姫を鎮める。…


 『風神秘抄』にほぼ連なる話。何しろ『風神秘抄』読んでからかなり経つもので、内容忘れておりまして;; 
 これ、『風神秘抄』読んでないと楽しめないんじゃないかしらん。いや、一応少年頼朝の成長譚としては読めるんですが、それにしても意味不明に思える箇所が多々あるんではないかと。
 義経のこともあって、どうもいいイメージがない頼朝ですが、この本では決して悪いようには見えない。…主人公だから当たり前、ってっちゃ当たり前なんですが。この少年が、どこでどう変容するのやら。
 とりあえず、『風神秘抄』をもう一度読み返さなきゃ、と思ってしまいました。