『鹿の王』下巻。
ネタばれあります、すみません;
ネタばれあります、すみません;
ユナを攫ったのは<火馬の民(アファル・オマ)>だった。東乎瑠帝国の移住政策によって故郷ユカタ平原を追われ、名産の火馬が絶滅しかかっている現状に、族長のオーファンは憤り、反撃を企てていた。東乎瑠人ばかりが死ぬ黒狼病、それを媒介する猟犬<キンマの犬>操る術を火馬の民がもっていること、全て神が与えてくれた機会だというのだ。
今<キンマの犬>を統べているのはオーファンの父ケノイ、だが彼は老いている。後継者として、犬と通じることができるヴァンを引き入れたい。だが、流行り病で妻と息子を亡くしているヴァンには、病を武器と考えることはできなかった。
やり過ぎた<火馬の民>はアカファ王の後ろ盾をなくし、とうとう追われる身に。逃げる道程でケノイは死に、<火馬の民>は切り札を失くしたかと思われた。
ホッサルたちは<沼地の民(ユスラ・オマ)>への治療と聞き取りを続けるうち、黒狼病と地域民との相関関係に気付く。黒狼病を媒介する黒ダニの存在、それに耐性する物質を持つ地衣類とそれを食べる飛鹿やトナカイ、火馬の乳製品を食する習慣のある民たち。地衣類の採取をしていたホッサルの助手ミラルが発病し、自由に動けないホッサルは治療道具を運んでくるよう、傍にいた沼地の民に頼む。彼の名はナッガ、ユナの伯父でありユナを攫った人物だった。ユナを追ってナッガに行きついたヴァンは、とうとうホッサルと相対する。
追い詰められた<火馬の民>は東乎瑠皇帝の使者<玉眼>を狙う。それを予測していたヴァンが防ぐ。だがヴァンにはそれで全て終わりだとは思えない。まだ見落としがあるのではないか。その可能性に気付いた時、ヴァンは犬を操り、遠い荒野に走り去る決意をする。…
今<キンマの犬>を統べているのはオーファンの父ケノイ、だが彼は老いている。後継者として、犬と通じることができるヴァンを引き入れたい。だが、流行り病で妻と息子を亡くしているヴァンには、病を武器と考えることはできなかった。
やり過ぎた<火馬の民>はアカファ王の後ろ盾をなくし、とうとう追われる身に。逃げる道程でケノイは死に、<火馬の民>は切り札を失くしたかと思われた。
ホッサルたちは<沼地の民(ユスラ・オマ)>への治療と聞き取りを続けるうち、黒狼病と地域民との相関関係に気付く。黒狼病を媒介する黒ダニの存在、それに耐性する物質を持つ地衣類とそれを食べる飛鹿やトナカイ、火馬の乳製品を食する習慣のある民たち。地衣類の採取をしていたホッサルの助手ミラルが発病し、自由に動けないホッサルは治療道具を運んでくるよう、傍にいた沼地の民に頼む。彼の名はナッガ、ユナの伯父でありユナを攫った人物だった。ユナを追ってナッガに行きついたヴァンは、とうとうホッサルと相対する。
追い詰められた<火馬の民>は東乎瑠皇帝の使者<玉眼>を狙う。それを予測していたヴァンが防ぐ。だがヴァンにはそれで全て終わりだとは思えない。まだ見落としがあるのではないか。その可能性に気付いた時、ヴァンは犬を操り、遠い荒野に走り去る決意をする。…