高校生の頃から、これまでに訪れた様々な国々での出来事をつづりながら、
「あの頃の私」が「いまの私」になっていくまでを書いてみようと思います。(メッセージより)
17歳の夏、初めて旅したイギリスとフランス、フィールドワークで訪れた沖縄やオーストラリア。そして海外旅行で訪れた国々…物語が芽吹く土壌となった旅のエッセイ。
小説現代2013年1月号(2012年12月22日発売)から約2年間連載されたエッセイを書籍化、国際
アンデルセン賞受賞記念特別寄稿2編をあわせた、22編を収録。
(内容紹介より)
上橋さんの作品には食事場面が多く描かれますが、エッセイでもそれは変わらず。で、自身が小さい頃から読んでいた作品の食べ物のシーンにも触れられていたりして、楽しかったです。ただ『小公女』で私が印象的なのは、屋根裏のごちそうよりもぶどうパンなんだけど。『
指輪物語』の、サムが鍋を捨てて今まで食べたものを思い出す場面に、ああいう意味を見出していたとは。
イランの女性たちは本当に魅力的でした。ちょっと行ってみたくなったなぁ。そう、『
アルスラーン戦記』の舞台ですもんね。
異文化に対して敬意を持って接する。上橋さんの姿勢がよく伝わるエッセイでした。