読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

キノの旅ⅩⅥ―the Beautiful World― 時雨沢恵一著/黒星紅白イラスト メディアワークス電撃文庫 2012年

 『キノの旅』、シリーズ16冊目。
 ネタばれあります、すみません;

 昼と夜がある国
 国がドームで覆われ、電力の関係で昼夜が逆転した国で。
 師匠たちは国の時間にあわせて楽しみ、シズたちは自分達のリズムを大切にし、キノは「夜食」を堪能する。

 転がっている国
 廃墟になった国の倉庫に、山と積まれている携帯食糧。キノはめいっぱい持って行きたいが、そうもいかない。トラックを持っていないし、出国ゲートは細い一本橋だし…。

 死人達の国
 死体が動き出す伝染病が流行っている国で。周囲の国々は結束して、動く死体を始末しようと考える。それに加わったキノ、全てが終わった後に、エルメスは一つの仮説を披露する。

 育てる国
 映画産業が盛んな国で、ティーは何故か大もて。何人もの人から、養子にならないかと誘われる。さて、彼らの魂胆は。

 飲酒運転の国
 師匠達が訪れた国は、運転マナーのとてもいい国。この国での人気施設は『国営飲酒運転フィールド』、飲酒運転を思い切り楽しむアトラクション。師匠たちもゲームへの参加を勧められる。

 血液型の国
 血液型での性格判断が大流行りの国。元々は国外から持ち込まれた、一冊の本がルーツらしい。キノたちは国外に出た所で、誤植の本を回収している出版社の会社員に出会う。

 恋文の国
 キノが中古店で買った鞄には、出されないままの恋文が数通入っていた。差出人はどうやら病気で亡くなったらしい。宛先の人物を探して入った国では、国民的人気の歌手が哀しい恋の歌を歌っていた。あまりにもぴったりの内容に、彼女が相手だと思うキノ。でも彼女は、自分は彼の恋人ではないと言う。そして彼女の歌は変わった。

 フォトの日々「見えない真実」
 フォトに視力の弱い少年から、自分達親子の写真を撮ってほしいという依頼が来た。下宿先に持って行きたいのだとか。でも両親は頑なにそれを拒む。こっそり盗撮した写真を見て、モトラドのソウは両親の気持ちを悟る。少年が隠していた事実も。

 フォトの日々「残されたもの」
 雪に埋もれた山村を訪れて、写真を沢山撮った冬の終わり。その村は雪崩に襲われて、二割の家が失われた。フォトは写真を抱えて再び村を訪れ、災害現場を、悲しむ遺族をカメラに収める。ソウはフォトに、その写真をマスコミに持ち込むよう勧める。…


 前回登場したフォトが再び登場。報道写真に関しては、これはカメラをほとんどすべての人が携帯している今の状況とは違うからなぁ。写してる暇があったら一緒に掘り出さんかい、って意見も今は出てくるだろうなぁ、とちょっと意地悪く思ってしまいました。
 あとがきは添削付きのひらがな文。作者は大事故に遭っていたそうで、…気をつけて下さいね、本当;
 その後はますます元気そうな様子ではありますけど。