読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

マスカレード・ホテル 東野圭吾著 集英社 2011年

 ネタばれあります、すみません;

 都内のあちらこちらで起きている殺人事件が三件、被害者に共通点はなく殺害方法もばらばらだが、死体の傍には謎の数字が羅列された紙片が落ちていた。それが殺害場所を表している、と気付いた警察は、そこに潜入捜査官を配置する。
 一流ホテル「コルテシア東京」。フロントに配備されたのは新田浩介警部補、教育係として山岸尚美がついたが、新田の不遜な態度はホテルマンのそれとは程遠く、尚美は不安を抱く。
 目が不自由なふりをした老婦人、男性につけ狙われているから近付けてくれるな、と主張する女性、新田に異常な敵対心を持つ男性客。様々な客に対応する尚美の真摯な態度を見て、新田もホテルマンに対する認識を改めて行く。
 やがて、コルテシアで結婚式を挙げる新婦が、ストーカーに追われているらしいという情報が入る。贈られた覚えのないワインが届き、当日には女装した男が怪しげな男がロビーをうろついている。はたして、予告してきた犯人が狙っているのは新婦なのか。…
 
 
 読み易いなぁ。まるでお手本のよう、と思ってしまいました。最初にトラブルを一つ入れて山岸尚美の有能さや人となりを示してから本題へ。映画とかならここでどどーん、とタイトルロールが入りそう。
 別の作家さんなら連作短編にするようなエピソードを積み重ね、その経験をヒントにして犯人に近づいて行く。で、最終的に山岸尚美に持って行ったのは本当に意外でした。いや、かなり最初の方で、「…これ交換殺人の可能性は??」とか思っちゃったんですけどね、我ながらちょっとスレててイヤかも(苦笑;)。
 これ、いかにも映像化されそうだなぁ。数々の映像化された自身の作品の作り方からヒントを得て、逆輸入した作品なのかも、と思いました。