読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

マスカレード・ナイト 東野圭吾著 集英社 2017年

 シリーズ3作目。
 ネタばれあります、すみません;

 マンションの一室で女性の感電死体が発見された。その犯人が大晦日 ホテル・コルテシア東京で開催されるカウントダウンパーティに現れる、という密告状が警察に届く。新田刑事は再びコルテシア東京にフロントクラークとして潜入することに。
 前回指導役を担った山岸尚美はコンシェルジュに異動しており、新田は今回、氏原祐作とコンビを組む。だが氏原は新田のホテルマンとしての腕前を信用せず、フロント業務を任せようとしない。それなら、と新田は宿泊客の動向に注意を向ける。
 プロポーズしようとしている日下部篤哉、それを断ろうと決めている狩野妙子、どちらの気分も損ねない演出を依頼される山岸。普段ホテルを不倫に利用している曽野は、カウントダウンパーティに家族連れで参加し、不倫相手 貝塚由里と出くわしているが、ホテル側はさり気ない配慮を忘れない。新婚の二人連れはパーティ参加の衣装を手に入れる算段を山岸に尋ね、大いに楽しみにしている様子。スイートルームに入った女性は仲根緑と名乗ったがクレジットカードの名字は違っていて、後から来ると言っていた連れの男性は来た様子がない。狩野に振られた日下部は、仲根緑に一目惚れした、何とか顔を繋いで欲しいと言ってくる。
 やがて、警察陣は一人の男性をマークする。一流ホテルを使用する雰囲気ではなく、部屋に籠りきりで、宅配で大きな荷物が届いたのも不審に感じられる。
 大晦日、仮装パーティが始まった。密告者からの指示が届く。山岸は新婚客の要望に応えようと無人のチャペルに向かい、何者かに襲われてしまった。犯人は、密告者の狙いは何なのか。…

 マスカレードシリーズ第三弾。
 面白かったです。東野圭吾にハズレなし。
 推理小説としてはどうなんだ、って意見はもしかしたらあるかもしれませんが、各エピソードがとにかく面白い。そうか、プライベートがあるようでない空間なんだな。不倫カップルのエピソードとか、いや、それも信用なんだろうけど、本当 お得意様上等!の世界なのね、とある意味下世話な感想を抱きました(苦笑;)。
 一流ホテルに泊まって、こんな無茶ぶりする人いるのね~、とも。絶対私勤まらないわ; いや、勿論、ここまで極端な例はあまりないんでしょうけど。
 プロポーズ云々のくだりは、あ、これテストだな、と早々に勘付きましたが、その後が更にあるとは思いませんでした。まさしく盲点。…しかし日下部さん、お食事しながら仲根さんに本当の理由 話したのかしら;
 山岸さん、確かに腕時計をしながらもスマホで時間確認してたのよね~。正確な時間云々の台詞とかが伏線になるとは。携帯電話が普及して、待ち合わせの意味がなくなったとか聞きますものね。
 そうそう、新田さんのお行儀の良さが控えめになった気がしたのは私だけでしょうか。東野さん、映画化されたのも意識して、キャラクターをキムタクに寄せてるような気がしないでもなかったんですが。
 それにしても、仲根さんや日下部さんの支払金額が合計いくらになったのか、想像すると非常に怖かったです(苦笑;)。