読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

3月のライオン March comes in like a lion 1~7巻 羽海野チカ著 白泉社ジェッツコミック

 第18回手塚治虫文化賞受賞作。
 高校生プロ将棋棋士 桐山零が、和菓子屋の三姉妹との触れあいを切っ掛けに、様々なものを取り戻して行く物語。

 3月、消費税が上がる前に前々から欲しかった漫画を揃えようか、ってんで大人買い(?)したのが西炯子著『娚の一生』と羽海野チカ著『ハチミツとクローバー』。ただ『ハチクロ』は何故か6巻だけが店になく(…;)、私の大好きなエピソード「お父さんの似顔パン」は読み返せていないのですが。

 で、久々『ハチクロ』を読んでウミノ熱が高まった所に、図書館で『3月のライオン』1巻があったのを見つけたので、早速借りて読んでみまして。そしたら主人公の境遇のあまりのやり切れなさに切なくなってしまいました。
「これは主人公がもうちょっと救われる所まで確認しなければ」「島田さんと宗谷名人の対局の結末は見届けないと」「ひなたちゃんの学校でのあれこれが一段落つくまでは…」と何だかんだで7巻まで読む羽目に。…いやぁ、ヒキが強いよ;

 眼鏡をかけた猫背の少年が、まぁ何と健気に、かっこよく見えること。
 『ハチクロ』もそうなんですが、仕事への真摯な姿勢、人への誠実さ、お金の大切さ、ってのを描いているのは相変わらず。
 そう、美味しいものを楽しく食べる、ってことも。甘味処での無限ループ、甘い→しょっぱい、冷たい→温かいには思わず握りこぶしで頷きましたよ(私もきっとどこまでもいける!)。
 美咲おばさまが大粒の黒真珠の指輪をはめた手をかざしながら目を怪しく光らせる所は、巨大エメラルドで見たことあるような懐かしさ(笑)。「青春スーツ」の名称は出て来ませんが、若さゆえの傲慢さを微笑ましく描くのも。
 二海堂くんもいいですねぇ、的を射てるんだか外れてるんだか分からない熱血っぷり。実際いたら鬱陶しいと思うけど(←こらこら)、弱者の立場に立って物事を考えられる心配りの濃やかさ、うえだゆうじさんの声で聞こえるのはどうしてなんでしょう(笑)。「将棋はじめて絵本」の豪華さの表現は、同人誌も作っていた羽海野さんならではですよね。(それが分かる、ってのもなぁ・笑) 全く別の漫画になったかのような気迫には思わず吹き出しましたよ。
 駄洒落マスターの隈倉九段とか、山セラピストの櫻井七段とか、モデルいるのかなぁ。(…隈倉九段には何となく心当たりがあるんですが…;)
 で、多分、岡田斗司夫さんこの漫画読んでるんだろうなぁ、とも思いましたし。
 次巻は宗谷名人と桐谷君の対局なんでしょうね。…また惹きが強いわ。