読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

真夏の方程式 東野圭吾著 文藝春秋 2011年

 『ガリレオ』シリーズ長編。
 ネタばればりばりあります、すみません;

 ひと夏を伯母の旅館で過ごすことになった小学五年生の恭平は、行きの電車の中で物理学者・湯川と出会う。これから行く玻璃ヶ浦での海底資源発掘調査に参加すると言う湯川。彼もまた、恭平と同じ宿に泊まることに。
 お世辞にも流行っているとは言い難い旅館にいたもう一人の客が、その夜、死体で見つかった。
 酔った男が堤防から転落死、という当初の見解は、死因が一酸化中毒死だと判明して覆される。被害者・塚原は定年退職した元刑事で、かつて自分が逮捕した男・仙波のことをずっと気にかけていたらしい。現に今回も、海底資源調査の説明会に参加すると共に、仙波が癌を患った妻を看取った玻璃ヶ浦の家も訪れていた。
 金の貸し借りがこじれた末の元ホステス殺しと思われた事件が、何故塚原に引っ掛かったのか。
 美しい海を護ろうと活動する旅館の一人娘 川畑成美、どうやら彼女に思いを寄せているらしい活動仲間の沢村、足の悪い伯父も、料理の上手い伯母も、何かを隠している様子。
 湯川の指示に従って、東京で草薙と内海が動く。やがて、仙波と川畑家の関係が見えてくる。…


 いや、伯父さん、子供利用しちゃいけないでしょう、とちょっと思ってしまいました。その辺りは配慮しようよ;
 トリック云々というよりも、これは子供嫌いの湯川教授と恭平君とのやりとりを楽しむものなんだろうなぁ。愛情から可愛がるとかではなく、科学を通じて交流する。ペットボトルロケットを飛ばして海底の美しさを堪能し、花火で炎色反応を説明する。その結果から生じる関係性が最後の言葉に繋がる訳で、「忘れないでほしい。君は一人ぼっちじゃない」にはやっぱり「おお」と思いました。
 それにしても携帯電話が壊れてぶつくさ文句を言い、朝ご飯に納豆をかきまぜる湯川教授はなかなかお茶目でしたよ(笑)。