読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

3月のライオン March comes in like a lion 16巻 羽海野チカ著 白泉社ジェッツコミック

 12月。年末に向けて、冬が本気を出して来る季節。
 クリスマス。そして年越し。
 川本家で過ごす3年目のお正月は、ジグソーパズルを皆で囲んで。
 時に惑いながらも、あたたかな幸せをかみしめてゆく。
 零と三姉妹の日々はゆっくりと、着実に進んでゆく。

 一方、白熱する獅子王戦・決勝トーナメント。
 零、二海堂、重田…互いに高めあい、切磋琢磨を繰り返して来た島田研の弟分たちが、盤上で熱い火花を散らす―――。  (裏表紙紹介文より)

 宗谷名人の実家も描かれる16巻、え、宗谷名人 奥さん子供いたの⁉と一瞬驚いたんですが、どうもそうではないようで。でも、そうか、京都の人か。アニメで続きが作られたら、石田さんの京都弁が聞けるのか!!とちょっとわくわくしたことは内緒です(笑)。
 羽海野さんの作品の中で、こんなにもいちゃいちゃする場面が出てくる、って珍しいんじゃないかな。もう微笑ましいやらこそばゆいやら(笑)。その中でも心に刺さる言葉は紡がれていて、「しつこくてあきらめられない気持ちを」「「向いてる」って言うんじゃないかな」。そう、「才能」じゃなくて「向いてる」って言葉を選ぶ、このセンス。
 「プレッシャーが少しあった方がいい人と 無い方がのびのび戦えるタイプと」「――それもまた一生のうちでぐるぐる入れ替わる」。…なるほど。
 二海堂くんが零くんを表した「闇のような輝き」は、アニメで零くんを演じた河西健吾さんの声を羽海野さんが表現した時の言葉じゃなかったかな。幸せでも前へ進める、かえって余裕ができる。ひなちゃんも後押しする。
 特別製のシャンプーを使う島田八段も、隣家の購入を検討する三日月堂の大人たちも光っちゃう二海堂くんも何とも魅力的です(笑)。

 巻末には作者の近況、三浦健太郎さんとの別れの表現は本当に静かで哀しい。この境地に至るまでに、どれだけ時間がかかったのか、こちらも胸が痛い。

 妹たちを温かく見守るあかりねいちゃん、自分は三日月堂を盛り上げることだけに専念するのかな。確かに恋愛沙汰だけが全てではないんだけど、あかりねいちゃんの場合はそれを避ける理由が哀しいからなぁ。
 次巻に続きます。