読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

花散らしの雨 みをつくし料理帖  高田郁著 ハルキ文庫 2009年

 『みをつくし料理帖』第二弾。

俎橋から――ほろにが蕗ご飯
 俎橋に移った「つる屋」で、澪たちはふきと言う少女を下足番として雇い入れる。以来、澪が新メニューとして考えた献立が、神田「登龍楼」で先に供されるという事態が続いた。ふきを信じたい澪、しかし他に思い当る節はない。芳の助言もあり、澪はふきを責めず包み込むように対応する。

花散らしの雨――こぼれ梅
 店の前で行き倒れた男は、極上の白味醂を持っていた。房州から来た留吉は、主人が工夫に工夫を重ねて作りだしたこの味醂を、何とか売り出そうとしているらしい。まず上方に売り込むことを提案する芳。後日、礼として味醂の絞り粕こぼれ梅が届けられ、澪はこれを野江と揃って食べた幼い日を思い出す。折も折、あさひ大夫がひどい刀傷を負った、と連絡が入った。

一粒符――なめらか葛饅頭
 お運びとして働くおりょうの息子・太一が、麻疹に罹った。必死の看病に明け暮れたおりょうも、同じ病気に倒れてしまう。代わりに手伝いに来てくれた老婆おりうは武家文化に詳しく、また食べる人の心情を思い図る心持を語る。

銀菊――忍び瓜
 胡瓜と蛸の酢の物に、手をつけない侍の客を不審に思う澪。理由が分からない澪に、小松原が武家文化の倣いを教える。代わりになる献立を考える澪。小松原の存在が、次第に澪の中で大きくなっていく。…

 
 美味しいものの他に、着るものもちょっと出てきた二巻目。ふき宛の前掛けや単衣、華やかな美緒の晴れ着、以前にも書きましたが『赤毛のアン』や『大草原の小さな家』の頃から、美味しいものや着るものはどうしても惹きが強い(笑)。
 ふきの行動を、優しさで見守ることでいい方向に導く。こんなに上手く行くかどうか、相手の性格悪かったらつけ上がるだけ、とも思うんですが、でもやっぱり信じた上でのハッピーエンドは心地いいです。
 澪の恋心は小松原に向く様子、源斉先生の相手としては伊勢屋久兵衛の末娘・美緒が登場しました。…小松原さん、澪の相手になるような年齢よりずっと上だと思ってました;
 次巻に続きます。