読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

謎解きはディナーのあとで2 東川篤哉著 小学館 2011年

 人気シリーズ第二弾。
 ネタばれあります、すみません;

第一話 アリバイをご所望でございますか
 ビルの踊り場で、女が殺された。目撃者の証言から、犯行時刻は午後7時45分から9時までと判断、しかし第一容疑者の元恋人にはアリバイがあった。麗子の話を聞いた執事の影山は、その男が犯行時刻より前の時間帯のアリバイを詳しく語ったことに疑問を呈する。

第二話 殺しの際は帽子をお忘れなく
 一人暮らしの女が入浴中に殺された。現場からは何故か被害者がコレクションしていた帽子が無くなっているとのこと、帽子フェチの麗子は行きつけの帽子屋に行って助言を依頼する。傍には当然影山の姿、影山は無くなった帽子の種類とその目的に注目する。

第三話 殺意のパーティにようこそ
 麗子が招待されたパーティで、殺人未遂事件が起きた。被害者は麗子の友人で、赤いドレスを着た、緑の宝石を身につけた見知らぬ女に襲われたと言う。だが該当者はみんな被害者の知人ばかり、「見知らぬ女」は一人もいない。影山はある一人の行動から、真相を見抜く。

第四話 聖なる夜に密室はいかが
 うっすらと雪が積もった翌日、一人暮らしの女がロフトの梯子から落ちて死んでいたのが発見された。当初は事故かと思われたが、目撃者の証言から、事件当時、現場に被害者以外の誰かがいたことが判明した。だが、雪道には発見者が乗って来た自転車のタイヤ痕しか残っていない。影山は、被害者の女性がウィンタースポーツを趣味にしていたことに目をつける。

第五話 髪は殺人犯の命でございます
 資産家の家で殺された女性は、長かった髪を無残に切られていた。丁度この家は一家の主を事故で亡くしたばかり、愛人との関係がもつれて妻と娘、被害者である従姉まで巻き込んで愛憎劇の真っ最中。犯人は何故被害者の髪を切ったのか、遺産問題とは関係があるのか。あまりにも短く切られた髪に、影山はある可能性を示唆する。

第六話 完全な密室などございません
 画家の松下が自室で襲われた。事件当初悲鳴を聞いてすぐ家人が駆けつけたこともあって、部屋は完全な密室状態。犯人はどうやって逃走したのか、影山は部屋の壁に描かれた一面の自筆フレスコ画に注目する。…


 麗子が帽子について熱弁をふるうくだりに、何だか深く頷いてしまいました。そう、私も好きなんだよ、帽子。でも被る所が本当にないんだよ。デニム地のキャスケット帽とか臙脂のベレー帽とか持ってたりするんだけど(祖母がそういうのが好きな人で、買ってくれたりしたんですよ;)、いざとなると妙に気恥かしくて被れない。夏場の麦藁帽子でさえ、結局やめて日傘で済ましてるもんなぁ。精々、寒くなったらニット帽を被る位で。だからそれでも帽子を買いまくる麗子が、羨ましくなってしまいましたよ。(いや、そんな話じゃないし;)
 アレキサンドライトは察しがつきましたし、第六話に至っては「…反則じゃないのかなぁ、これは」とちょっと思ってしまったり。隠し部屋の中、風祭警部は何時の間にどこから入って来たのかしら、とちょっと疑問に思いました。
 いや、面白かったんですけどね、相変わらずけれん味たっぷりで、イラストも豪華で。…でもこの裏表紙の挿絵は、中のトリックを一つばらしてることになるんじゃないかなぁ。