読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

とめはねっ! 鈴里高校書道部 11~14巻 河合克敏著 ヤングサンデーコミックス

 柔道の国際強化選手に選ばれた結希。書道部を辞めて柔道に専念させようとする大人たちに対し、結希は「書の甲子園」までは書道を続ける、と宣言する。
 「高野山競書大会」にて、縁の「源氏物語絵巻・御法」と日野部長の「寸松庵色紙」は金剛峯寺賞を受賞。一位の弘法大師賞は京都の大槻藍子が「源氏物語絵巻・鈴虫」で獲得したが、藍子は縁の作品の出来に舌を巻く。
 夏、「書の甲子園」二連覇を達成しようと、一条毅は鎌倉まで三浦清風を訪ねに来て、そのまま鈴里高校と鵠沼高校書道部の合宿に参加。宮田麻衣は一条の結希への恋心を察して、成就に協力しようと申し出るが、一条は書に邁進することに、結希への思いを込めることにする。
 そして、縁も「書の甲子園」への出展作品に、結希へのメッセージを託す。
 一条は「篆書」を創作し、結希は今までの集大成として「楽毅論」を臨書し、縁は現代詩を漢字かな交じりの書で書き上げた。
 「書の甲子園」の表彰式、席上揮毫で、縁と結希は協力して一つの作品を仕上げる。…


 最終巻で『帯をギュッとね!』の来留間麻理ちゃんや(オリンピックで金メダル二度も獲ってた!)、石塚(袴田)今日子監督まで登場、いやお懐かしい。
 13巻で触れられる井上有一という書家について、私は寡聞にして知らなかったのですが、漫画の小さな画面からすら伝わる迫力には胸を突かれるものがありました。…なるほど、芸術だ。
 それぞれの成長が見られる展開、宮田さんにまで注がれる眼差しが優しい。そして、口喧嘩番町の三輪先輩は、頭もよかったのでした(笑)。
 三年での活動はちらっとしか描かれないエピローグ、『帯ギュ』も同じような感じでしたよね。恋愛沙汰に疎い結希ちゃん、縁との関係は進むのかな。案外、とんでもないダークホースがかっさらっていく気もしないではない。
 見事な大団円でした。安心して読める、ってのはいいなぁ。