読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

三匹のおっさん ふたたび 有川浩著 文藝春秋 2012年

 シリーズ2作目。

 第一話
 清一の息子の嫁・貴子が肉屋のパートに出始めた。何事につけおっとりお嬢様育ちの貴子には、忙しい職場はしっくり来ない。パート仲間とも上手く行ってない様子、清一も息子の祐希もちょっと心配気味だ。親しく声を掛けてきてくれた一人は、何かにつけ貴子に小銭をせびるようになり、やがてトラブルを引き起こす。

 第二話
 商店街の本屋が万引き被害で困っているという。学生の小遣い稼ぎに荒らされているのだとか。三匹はパトロールに励み、嫌な思いもした挙句、常習犯の中学生三人組を捕まえる。警察に突き出そうか、という三匹に、店主は三人を店で働かせると言う。

 第三話
 有村則夫に再婚話が持ち上がった。平常を装いながらも早苗はこの話に乗り切れず、成績は下がるわ祐希に八つ当たりするわ、情緒不安定極まりない。

 第四話
 清一が嘱託で通うアミューズメントパーク『エレクトリック・ゾーン』に、ゴミが散らかされる事件が相次いだ。以前注意して不貞腐れていた中学生が最有力候補、しかし見張っていると、主婦が家庭ゴミを持ち込んでいる現場まで押さえてしまった。若者のモラルの低下を嘆く一方、ゴミを放置する老人まで現れる。
 
 第五話
 立花康生は小さい頃、父親の重雄をあまりよく思っていなかった。しかし清一の息子・健児は清一を煙たく思い、重雄に憧れていたらしい。たまたま持ち上がった秋祭りの復活の話題に、カッコいい親爺を見たのは豊穣祭の時だった、と康生は昔を思い出す。自分の幼い娘にも自分の雄姿を見せておこう、と康生は祭りの再開に尽力する。

 第六話
 年明け、偽三匹が現れた。清一の妻・芳江の言葉に触発された彼女の幼なじみで、ボヤを未然に防いだことからますます図に乗り、勝手に本家三匹に対抗意識を燃やしている。煙草を吸っていた学生に注意をしてこじれ、揉めている所に、三匹が通りかかった。

 bonus track 好きだよと言えずに初恋は、
 富永潤子が小学校六年生の頃。転校がクラスで発表されて、クラスメイトの男子が一人近付いて来た。昼休み、草花の名前を教えてくれた少年。でもそれは女子の反感を買い、潤子はいたたまれない思いをすることになる。…

 
 ええと、私、前回の内容をほとんど覚えていなくてですね;;(何故か早苗ちゃんに起きた出来事は覚えていました。…これは、その直後の早苗ちゃんの行動に「あれ?」と思ったからですね)  貴子が会った空気清浄機事件とか全然思い出せない;; でもまぁ、今回は今回で楽しく読めたんですけど。
 初めてお勤めするのが時間に追われる総菜作り、というのはきついんではないかい、と思いつつ。そういう判断もつかない所がおっとりさの所以なのかしら。前回悪く(?)書かれた人へのフォローも含めた一冊だそうですし。
 シリーズ2冊目は、何だかやりきれない話が多かったような気がします。一つの事件が片付いても、それを上回る、もうどうしようもない価値観の違う人物が出て来て。出来心や「魔が差す」レベルではないことを意図的にやって、それが「要領がいい」と思っているような。
 どうか、正直者が馬鹿を見る世の中になりませんように。
 そうそう私、本屋さんのスリットは、立ち読みしてもそのまま前の位置に挟んでたなぁ、ごめんなさい;