読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

エチュード春一番 第一曲 小犬のプレリュード 荻原規子著 講談社タイガ 2016年

 渡会美綾は春から大学一年生になった。家族は海外転勤でロンドンへ、母親の「一緒に海外留学」というプレッシャーを押しのけての実家での一人暮らし。
 とはいえ中高一貫の女子高から内部進学せず受験した美綾には、まだ大学には近しい友達もいない。そんな折、美綾の家に小型犬パピヨンが迷い込んできた。
 飼い主が分かるまで、と世話をしはじめた美綾。ところがそのパピヨンがいきなり話しかけてきた。「わしは八百万の神だ」――。
 時代掛った口調で話すパピヨン、でも実際には屁理屈じみたことを喋るだけであまり役に立たない。大学で再会した小学校時代のクラスメイト・有吉智佳が、同じく別のクラスメイト・澤谷光秋に、中学で事故死した同級生・香住健二の霊が憑いている、と言い出した時も。
 小さい頃の記憶とはいえ、美綾は香住健二にあまりいい思い出がない。後ろめたささえ感じる中、美綾も澤谷の後ろに健二の幽霊を見てしまう。…


 荻原さんの新シリーズ。
 面白かったんですが、荻原さん、厭な女の子書いたなぁ;  いや、実際いそうなんですけどね、何の悪気もなく、自分の利益のために立ち回る子。でもお近づきにはなりたくないなぁ;;
 パピヨン犬のモノクロが語る「一つ上の次元」なんていう表現は、前作『RDG』にも通じる所がありそうな。どういう展開になってどう落としどころを着けるのか、ちょっと楽しみです。