読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

くるくるコンパス 越谷オサム著 ポプラ社 2012年

 思い出すのは20数年前の修学旅行。西中将棋部員、カズト、シンヤ、ユーイチの三人は京都の自由時間を利用して、大阪・江坂に転校して行った部活仲間の女の子に会いに行く計画を立てる。ついでに、頭ごなしに生徒を抑えつける体育教師に一泡吹かせようと、難波のグリコの看板も写真に収めよう、と。
 ところが事態は思い通りには運ばない。同じ班の女子は非協力的だし思わぬところで時間は食うし、大阪梅田の駅はまるで迷宮。やっと辿りついた難波では不良に絡まれて散々な目に。
 もう彼女の家に行くのはやめようか。でもここまで来たんだから、ピントのずれた地図しかなくても、彼女は家にいなくても、とにかく彼女の家まで行ってみよう。
 そしてこの小さな冒険は、結果、僕たちの人生の大きな転機となる。…


 たまたまなんですが、登場人物達が梅田の地下街を迷っている頃、私も大阪市営地下鉄の電車に揺られていまして。泉の広場から戻って来て阪急百貨店に入ってしまい、また阪神百貨店まで戻ってさらに谷町線東梅田駅へ、というくだりを臨場感たっぷりに読んでおりました。そう、分かり難いよね、中学生にはきついかも。たけどちゃんと表示はあるから落ち着いて、東京の地下鉄よりマシだと思うし。(←ちょっと私見が入っている・笑)
 粗筋を知った段階で、ああ、こりゃ面白いだろうな、と思いました。越谷さんの得意分野じゃん。
 ただ、私の好みから言えば、ちょっとラスト近辺があざとかったなぁ。主人公がなるのは普通のサラリーマンでもいいし、泣かせに走らなくてもいいと思うんだけど。
 ただ懐かしく思い出す、ってだけで十分なんだけどな。