読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

PK 伊坂幸太郎著 講談社 2012年

 連作短編集、なのかな。長編のような気もしないでもない。

 PK
 あの時、絶不調だったサッカー選手は、何故PKを決めることができたのか。直前にチームメイトに囁かれた言葉は。大臣はその調査を秘書官に命じる。自身、つきたくない嘘をつくよう強要されていたから。またある作家は、自分の作品を書き直すよう、編集者から「依頼」と言う名の強迫を受ける。
 27年前、ベランダから落ちてきた赤ん坊を、必死で救った若き日の大臣。彼の勇気は時を越え、様々に形を変えて影響し、また自分に帰って来る。

 超人
 作家の三島の家に現れた、防犯会社の営業マンは、自分には特殊な能力があると言う。曰く、未来がわかるのだとか。携帯電話に送られて来るメール、他人にはサッカーの試合結果にしか見えないそれが、自分にはいずれ殺人を起こす人物の名に読めると言う。
 事件が起きる前にこの人物を殺せば、理不尽な殺人事件は起こらない。その日、彼に届いたメールには、幼い頃彼の命を救ってくれた男、今の大臣の名前があった。

 密使
 握手する度、相手から6秒位の時間を奪うことができる男がいる。夜、日付が変わる前、ほんのわずかな時間を自分の為だけに使える、ちょっと優越感が味わえるだけの、実際あまり役に立つとは思えない能力。だが、その能力に目を着けた組織がいた。彼らは絶望的な未来を回避するため、彼だけの時間を使って、未来を変えて欲しいという。その方法はとある密使をとある場所に送り込むこと。ドミノのように事態に響いて、その行為は未来を変える。但しその場合、彼は消えてしまうのだとか。…

 
 実は、一回読んだだけではちょっと「?」な所も多くてですね;(←馬鹿;)
 二回目ざっと読んで、漸く「ああ」と思えました。二話目の最初の部分は、変えられなかった世界の話だったのね。
 この手の話は好きな筈なんですが、今回はどうも全体を把握しづらくてちょっと読みにくかったです。…いや、自分の読解力のなさを棚に上げるなよ; それにしても、小説家の奥さんに浮気がばれなかったことが、どうやって一万人の命を救ったことになったのやら。その前に浮気するなよ、と思いつつ(苦笑;)。