読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

たまゆら あさのあつこ著 2011年 新潮社

 ネタばれになるかなぁ、すみません;

 花粧山と麓の境界に住む老夫婦。彼らの家を、山に登ろうとする人々が訪れる。
 ある春近い雪の日、若い娘が現れた。彼女は、ある男を追ってこの山に来たと言う。男は一年前父親を刺殺し、そのまま行方不明になったのだとか。
 この山に登って、戻る者もいれば戻らぬ者もいる。ただ、必ずこの老夫婦の家を訪れる。男を追って山に入ると言う娘に、妻は自分も一緒に山に登ると言い出す。続いて夫も。娘はその途中、この老夫婦が、この山の入り口で居を構える理由を教わる。妻が一生一度の恋をして元の夫を裏切り、その元夫が自分の親兄弟や甥、元妻の母親を殺して、花粧山に入ってしまったこと、結局自分もここに戻ってしまったことを。…

 あさのさんって「たまゆら」って言葉よく使うよなぁ、と前の作品で思っていたら、題名になって出て来ました。前半、話がなかなか進まなくてどうしたものやら、と思ってたら後半急展開でしたね。
 私にはこういう激情はとんと縁がないもので、「へー、ほー、ふーん」としか読めないのが申し訳ない。ちょっと『八墓村』を思い出した所もあり、「くどいなぁ;」と思う表現もあり。でも読後感はよかったです。