読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

狼と香辛料ⅩⅦ Epilogue  支倉凍砂著/文倉十イラスト  メディアワークス電撃文庫  2011年

 『狼と香辛料』、後日譚も含めたシリーズ番外編。

 

 Epilogue
  幕間
 あれから6年。
 居心地のいい馬車に乗って、ノーラを迎えに来たのは女商人エーブ。他にもあの二人に縁のある女ディアナやエルサ、フランを拾って遠くニョッヒラまで旅をする。結婚式に出席するために。

 

  終幕
 ホロが勝手に手紙を出した。ロレンスとニョッヒラで営む湯屋の開業パーティの開催を、独りで決めてしまった。
 ホロの考えが読めないまま、ロレンスも招待客を吟味する。今まで出会った男性陣の誰を呼ぼうか。

 

  行商人と鈍色の騎士
 まだロレンスが独りで旅していた頃のこと。
 ロレンスは荒野にぽつねんと建つ石砦で、一人の年老いた騎士・フリードに出会う。酔狂な領主の計らいで戦略的に全く意味のない砦を護ってきたフリード。だがその領主も亡くなり、フリードは砦を発たねばならなくなった。砦内の宝物を鑑定するよう頼まれ、ロレンスは全てを清算する。若きフリードが纏った甲冑でさえ。

 

  狼と灰色の笑顔
 ロレンスとホロが喧嘩ばかりしながらコルと共に旅していた頃。
 知り合いの商人に貨幣の仕分けを頼まれたロレンスは、二人を連れて作業に入る。噂に名高いケチ商人から報酬以上のものを受け取ろうと、ホロは銀貨の袋をぶちまけ、ロレンスと息の合った所を見せる。

 

  狼と白い道
 途中立ち寄った村は、噂話に飢えていた。名産の美味い酒と引き換えに、旅の話を聞かせてくれと頼む村人たち。調子に乗って話すホロ。村人たちの飽くなき探求心に少々辟易しながら。…


 シリーズ最終巻。
 『Epilogue』は今までの出演者総ざらいで、中には「…誰だったっけ、これ」って人もいたりして(←こらこら;)。こんなことがないように、ここにずらずら粗筋を書いてた筈だったのにねぇ。人物名は書かなきゃ駄目だわ(苦笑;)。
 ホロとロレンスの行き着く先が温泉宿経営、というのはちょっと意外でした。料理人でもサービス業でもないしねぇ、でもまぁそれはその道のプロを雇えばいいことか。
 「本当に書くことがない」とはあとがきでの作者の弁。まぁ、何て幸せなこと。この幸せ感がゆったりのんびり、この一冊に溢れているようでした。これですっかり終わりますように、「ホロとロレンスの子供が…」とかいう話が始まりませんように。