読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ゴーストハント④ 死霊遊戯 小野不由美著 メディアファクトリー 2011年

 シリーズ四作目。1990年に講談社X文庫ティーンズハートから出版されたホラー少女小説『悪霊はひとりぼっち』を大幅リライトの上復刊したもの。
 ネタばれあります、すみません;

 どのくらいの数の霊がさまよっていると思う?
 「ぼくは 犬では ない」
 新聞やテレビを賑わす、緑陵高校の度重なる不可解な事件。マスコミは集団ヒステリーとして結論づける。生徒会長・安原の懇願を受け、SPR一行が向かった学校には、様々な怪談が蔓延し、「ヲリキリさま」という占いが流行していた。数ヶ月前に起きた男子生徒の自殺と、一連の事件との関係とは? 
 難航する調査の最中、麻衣が不気味な夢を見る。
                                           (帯文より)

 安原少年登場の回。有能さもパワーアップ(笑)。
 今回読み返してみると、舞台の「緑陵高校」という名前にもヒントはあったんだなぁ、と思ったり。
 これの旧作を読んでいた同じ頃、酒見賢一著『陋巷に在り』も読んでいたんですよね。丁度そこでも作中で呪法「蠱毒」が使われていて、「重なる時は重なるなぁ」と妙な縁を感じてしまったことを思い出しました。…いや、でもそういうことあるんですよね。全く意図していないのに、似たような知識が出て来る本を読んだりだとか、偶然TVで見たりだとか。
 前回は、学校側の事情についてもフォローがありましたが、今回は全くの悪役。松山教諭は全くイヤなヤツでした。怪談も霊も登場人物も増えてましたね~。真砂子の能力への蘊蓄も詳しくなっていたような。綾子も妙にかっこよかった。
 ネタを分かった上で読むと、もうじれったい展開ですよね。ついうっかり「狐狗狸さん」なんて一般名称で呼んだばっかりに、「ヲリキリさま」の本当の意味に気付かない。始めからリンさんが参加していて呪符を見ていれば一発!だった訳で、もう「後ろ、後ろ!」の世界(笑)。自分の力もわきまえずと言うか、わきまえた上でも行動せずにはいられない麻衣には、やっぱり「いや、それは無謀だから」と思ってしまうんだよなぁ。
 実に虚を混ぜる巧妙さ。大オチの伏線はきっちり引いてあるんですよね。これ、出て来る超能力者の名前一々調べたりしませんものね。
 さて、次はシリーズ最恐『鮮血の迷宮』です。