読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ゴーストハント⑤ 鮮血の迷宮 小野不由美著 メディアファクトリー 2011年

 シリーズ5作目。1991年に講談社X文庫ティーンズハートから出版されたホラー少女小説『悪霊になりたくない!』を大幅リライトの上復刊したもの。
 ネタばれになってるかも、すみません;

 「助けて」
 増改築を繰り返し、迷路のような構造を持つ巨大な洋館。地元では幽霊屋敷として名高く、中に入った者が行方不明になる事件が連続して起こる。この館を調査するため、二十名もの霊能者が招集された。複雑な内部を調べていた麻衣たちは、館内に空洞があることに気づく。次々に姿を消す霊能者たち。やがて明らかにされる、館の血塗られた過去。
 「死にたくない」
                                         (帯文より)

 シリーズ最恐の呼び名も高い一作。
 森まどか女史も今回から登場。アニメでは南央美さんが声を演じてらしたんですが、ちょっと私のイメージではなかったなぁ。『悪霊』シリーズの頃は井上喜久子姉さんとかを連想しながら読んでましたねぇ。
 この辺りになるとリライト部分も少ないかな、と思ってたんですが、色々詳しくなってましたね。行方不明者の背景とか、他の霊能者の胡散臭さの説明とか、依頼主が屋敷を相続した経緯とか。麻衣が屋敷内で迷い込みそうになる所とか(本人には自覚なし)、うおお、と思いました。「あかん、行ったらあかん!」って声をかけたくなる感じ(笑)。真砂子もああやって誘い込まれたのね~。
 その一方で消化不良な面も。前の管理人の老夫婦、ってのは一体どうなったんだ?? 若くはないから浦戸の犠牲にはなってないと思うんだけど、何の説明もなし?? 書き足し部分なのになぁ。

 シリーズ最恐といいながら、この『ゴーストハント』シリーズは私にはあまり怖くありません。同じ小野不由美作品なら、『屍鬼』の方がよっぽど怖い。いやいや『屍鬼』は全然、『ゴーストハント』シリーズの方が、という友人に理由を聞いてみたら、明快な答えが返って来ました。
 「幽霊は怖い、化け物は怖くない」
 なるほど!(笑)
 それで気がつきました。私の恐怖の元は「自分が巻き込まれたらどうしよう」、これにつきるんだわ。だから『屍鬼』が怖い、『リング』も怖い。起き上がりになったらどうしよう、うっかり変なビデオ見ちゃったらどうしよう。『ゴーストハント』は屋敷なり学校なり、わざわざ巻き込まれにその場所へ行ってますもんね。
 何だか自分のエゴを自覚してしまいました(苦笑;)。