読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ガールズ・ストーリー おいち不思議がたり あさのあつこ著 PHP研究所 2009年

 ネタばれあります、すみません;

 おいちは今年十六歳。母を早く亡くしてから、医師の父親・藍野松庵を助けて診療の手助けをしている。
 ある日、伯母がおいちに縁談を持って来た。相手は生薬屋『鵜野屋』の跡取り息子・直介。実際会って驚いたことに、直介の後ろには以前おいちが夢に見た女、苦しみながら誰かを救って欲しいと訴えていた女の霊が憑いていた。
 女の名はお梅、鵜野屋で働いてた小女らしい。直介と恋仲になりながら一緒にはなれず、彼が大店から美しい娘・お加世を内儀に迎えるのを見ているしかなかった過去を持つ。一年前の突然の死は周囲に不審の種を撒き、その後お加世の死も続いた。
 お梅は直介の身を案じている。おいちは岡っ引き仙五朗の手も借りて、鵜野屋の周辺を洗う。直介の身に迫った危険を間一髪で救ったものの、直介自身は「自分がお梅を殺した」と言い出す。それを聞いて実は、と告白を始めたのは病床にある鵜野屋の主人・直右衛門だった。
 真実はどこにあるのか、真実の想いはどこにあったのか。おいちはお梅、お加世の言葉に耳を傾ける。…
 
 寄り道はどこまで寄り道なのかな、とふと思いました。物語の本筋から離れても、キャラクターを立てるエピソードは必要だし、でもそれがあまりにもあっちこっちに行ってしまってはまとまりがなくなるし。
 あさのさんの作品は私にとって、実はほんの少し寄り道が多い。登場人物が饒舌で、「もう無駄話はいいからさっさと話進めてよ」とちょっと思ってしまう。で、台詞がちょっと説教臭かったりね。私の僻みでしょうが、何となくの上から目線に少々眉を顰めたり、で、お話にのめり込んで行けないんだよなぁ(苦笑;)。
 面白かったし、すらすら読めるのは流石なんですけどね。
 何気なく伯母さんが口にした「おいちと松庵の血が繋がっていない」とかのエピソードは、今回だけ見るとまるで要らない情報ですよね。続編の予定はあるんでしょうか。
 で、時代小説にこの題名もどうかとは思うなぁ。