読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

螺鈿迷宮(上)(下) 海堂尊著 角川文庫 2008年

 初出は2006年。
 『バチスタ』シリーズ、スピンオフ作品。ネタばれしてます、すみません;

 バチスタ・スキャンダルから1年半。東城大学の劣等医大生・天馬大吉はある日、幼なじみの記者・別宮葉子から奇妙な依頼を受けた。「碧翠院桜宮病院に潜入してほしい」。この病院は、終末医療の先端施設として注目を集めていた。患者を職員として雇い、精神ケアと経営を両立させるシステムは、各種マスコミからの取材も相次ぐ状態。だがその実情は、東城大学から転院されて来る終末期患者の激減と国の医療費削減政策によって、閉院の危機に直面していた。
 やがて、看護ボランティアとして潜入した天馬の前で、患者が次々と不自然な死を遂げる。時を同じくして、東城大学から皮膚科医が派遣されて来た。およそ医者とは思えない行動を取るこの男は白鳥と名乗り、病院内部を調べている様子。また桜宮病院の双子の娘姉妹の一人・精神科医の桜宮すみれも東城大学に非常勤として勤め、桜宮病院閉鎖の道連れに東城大学病院の内部告発を企んでいた。
 警察の剖検を一手に引きうけていた桜宮病院院長・桜宮巌雄、その娘で冷静沈着な呼吸器内科医・桜宮小百合。攻撃的な性格のすみれも、姉・葵の自殺以降闇を抱えていた。その闇に知らず自分も関わっていたことを知り、天馬は動揺する。
 終末医療の先端施設に隠された光と影。果たして、天馬と白鳥がそこで見たものとは。…
                                           (裏表紙の紹介文を参考にしました)
 
 そうか、読み飛ばすように早く読めるこの文章、体言止めが多いんだな~。海外ドラマの『ER~緊急救命室』みたいな感じ、「オーダー、血算、生化学、血液型、クロスマッチ」的な。地の文だけじゃなくて台詞にも多用されていたので、ちょっと気になりました。登場人物みんな饒舌でしたしね~。
 話の内容としては先が読めるような展開もあり。天馬の薬物依存の症状とか、最後に生き残った人物とか。長編にするために引き延ばしているのかな、と思うような箇所もありました。でもまぁ、何しろ白鳥がやりこめられる展開ってのは新鮮でしたね~。白鳥さん、殊勝な態度も取れるんだ(笑)。
 で、海堂さん、エーアイに関しては本当に推奨してるんですね。どの作品にも出て来るなぁ。
 さて、いかにも続きがありそうな展開でしたね。…これだけ思わせぶりに描かれるのは、私はあまり好きではないんですが;
 それにしても、どう考えても適性のないドジっ子看護師・姫宮には、担当になってほしくないなぁ。