読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ナイチンゲールの沈黙(上)(下) 海堂尊著 宝島社文庫 2008年

 初出は2006年。
 『バチスタ』シリーズ第二弾。ネタばれになってるかも、すみません;

 あのバチスタ・スキャンダルから9か月。
 東城大学医学部付属病院小児科病棟にて。病棟一の歌唱力を持つ看護師・浜田小夜の担当患者は、眼の癌――網膜芽腫の子供たち。眼球摘出をせざるをえない彼らに心を痛めた小夜は、患児のメンタルケアを不定愁訴外来担当の田口に依頼する。
 時を同じくして、小児科病棟の問題児・牧村瑞人の父親が殺された。死体は不器用ながら解剖されて臓器が部屋中に散らばり、心臓だけが持ち去られているという猟奇ぶり、虐待を受けていた瑞人の名が14歳ながら容疑者として浮かび上がる。だが、彼には入院中であるというアリバイがあった。
 警察庁から出向中の加納警視正が病院内で捜査を開始する。緊急入院してきた伝説の歌姫、「酔いどれ迦陵頻伽」こと水落冴子と、厚生労働省の変人役人・白鳥圭輔も加わり、物語は事件解決に向け動き出す。…
                                           (裏表紙の紹介文にちょっと加筆しました)

 私が『チーム・バチスタ~』を読んだことを知った友人が、「あのシリーズなら何冊か持ってるよ」と貸してくれました。祥さんいつもありがとう♪
 相変わらず読み易いですね~。すらすら読むと言うより早い、読み飛ばすようなスピード感(←こらこら;)。
 何かでもね、前作があくまで最新科学に基づいた、地に足のついた推理小説だったのに、妙にオカルトチックと言うかファンタジー入ってると言うか、雰囲気の違いにちょっと戸惑いました。事件の解明自体に関与することではないのでまぁいいかなとは思いつつ。(いや、するか。頭に浮かんだ映像を見て、田口先生が瑞人くんに引導渡すもんなぁ)
 小児科は大変ですよね。薬自体は安いし量は少ないしでお金にならなくて、でも手間はかかるのに「人件費かけられない」とか経営者に言われるんだよなぁ。患者本人には理屈が通じないし親は真剣だし。瑞人の主治医の内山聖美先生は、あそこまで無責任な医者はいるのかな、とは思いましたね。滅私奉公を美徳だとは思いませんが、あの性格では少なくとも小児科を選んじゃいけないなぁ。
 両眼摘出だったり骨髄移植不適合だったり、重い内容も含みつつ。「まだまだ背景がありますよ」的なもったいぶった記述はちょっと鼻につくかな、と思ってしまった所もありました(苦笑;)。
 とりあえず、この病院の忘年会はあまり出たくないかもなぁ(笑)。