読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

魔所 イタコ千歳のあやかし事件帖 堀川アサコ著 新潮社 2010年

 『たましくる』に続くシリーズ第二弾。

 第一話 魔所
 昭和6年。盲目の巫女(イタコ)千歳は、財産家・七尾家の家で老人の霊と語っていた。早くに夫を亡くした千歳と、七尾家の長男をめあわせようと言う、母・松江が持ってきた仕事だった。七尾家は長男ばかりが人格者で、次男・三男は甲斐性なしだという血筋。三男・恭三が孕ませた少女・芳子が誘拐されたとかで、脅迫状が七尾家に届くという騒ぎが起きる。
 芳子がいたのは≪薫物様≫と恐れられる掘っ立て小屋。芳子は正気を失っており、一緒に鉈でめった斬りにされた女の死体も見つかった。女は幼い頃、一家心中で生き残って七尾家に養女に入った多津。次々手当たり次第に男を連れ込む多津は、一家の鼻つまみ者だった。やがて、犯人として恭三の名が挙がる。しかし、千歳の見立ては違っていた。

 第二話 これはこの世のことならず
 教師をしている大柳高雄が、転入生・服部時彦に手をやいている。時彦の父親は売れない絵描きで、酒に溺れた挙句死んでしまった。時彦は伯父に引き取られたものの、伯父と言うのも弘前でエロ・グロ・ナンセンスの興行を行っていて、あまり小学生によい環境とは言えない。時彦は偶然知り合った大柳新志と共に貸し本屋を、さらに父親の絵を買ったという女の元を訪ねる。
 千歳の所にはとある財産家の息子が訪れる。八年前関東大震災で死んだ筈の、腹違いの兄が目撃された、しかも兄の婚約者で今の自分の妻と貸し本屋を営んでいるのだとか。
 十年前一歳の息子を亡くした夫婦、その時子供から目を離した子守女、息子の死を受け入れられない妾。千歳がその繋ぎ目を見つける。 

 第三話 白い虫
 千歳の実家で働くシエは、博労の寛七に恋している。ある日、彼女の元に幼馴染の栄子が現れた。栄子はすっかり美しく、上品になっていた。まるで幼い頃憧れた同級生・花枝のように。彼女は願いが叶うおまじないを、実行したのだろうか。

 第四話 馬市にて
 在郷の旧家には、オシラ様が祀られている。雌雄の桑の木から作られた姫と馬の人形、それが姿を消したと千歳にお呼びがかかった。この家の亭主・臼作は昨年、馬市で美人局に会い、酷い目にあったらしい。その女の首が見つかって、臼作に容疑がかかる。折しも巷では、首のない馬が歩くと言う怪談が流れていた。

 エピローグ 逢魔が時
 風邪をひいて寝ている千歳の目の前で、姪の安子を襲おうとしている女の影がある。盲いた千歳には分かるが、安子には気安い誰かに見えているようだ。もう連れ去られる、と思った瞬間、女を威嚇する男の気配がした。…

 何か粗筋が書き難い話だなぁ。つまり私が話を把握し切れてないんだな。虚実の入り混じり具合とか、ばらばらのエピソードが繋がる瞬間ってのもちょっとごちゃごちゃ感があって理解しにくかったり。…記憶力が衰えて来てるからなぁ。
 推理小説としては、先が読めたりこじつけ気味だったり、ちょっと苦しいかも。きっとジャンルはホラーですよね。珍しい題材扱ってると思うのに、いまいち生かしきれてない感じ。とはいえ、するする読んだんですけどね。
 前回も思ったのですが、この挿画はあまりあってない気がします。漫画ちっくにするならするで、もうちょっとお上手な方がいらしたのではないかと…(←暴言;)。